阿部 side
デビューして2年目
Jrの頃から
『恥ずかしい』『演技は無理』
なんて言ってずっとお芝居の仕事を断り続けてきた累夏に
ついにお芝居の仕事が入った
それは喜ばしいことで
しかもほぼ初なのに主演映画
さすが累夏だなって思ってた
でも当の本人はなにか悩み事があるみたい
累夏は同性愛者
今まで女の人としか好きになったり、お付き合いもしたことがない
レズビアン当事者の累夏だから
俺は特に問題がないと思ってた
累夏は自分が生きてきた世界と全く違うと思うと零した
佐久間よりは累夏の恋愛相談は乗ったことがない
だけど感情より理論で結果を求める累夏だから
フィーリングと感情で全て乗り切る佐久間よりか
結論が欲しい話題に関しては俺とよく話すことが多い
俺は"現実"と"作り物"は
ちゃんと区別できる累夏だからこそ
あまり深く考えなくてもいいのではないかと提案した
累夏は何かが腑に落ちたような顔をして俺の目を見て言った
その会話の約1年後
累夏の初主演映画『向日葵と撫子』が公開された
ありがたいことにその映画の主題歌もSnowManが担当させていただけることになって
みんな相変わらず慌ただしく過ごしていた
ある日
俺はたまたま仕事がオフで
朝からゆっくりしながらテレビを見ていた
記者『橘さんは初めてのお芝居、そして初主演映画ということで』
『何か苦労されたことはありますか?』
そこには1年前
悩んで悩みまくった累夏じゃなくて
役を物にした累夏がいた
プルルルルル
『すごいな、累夏は』
時系列バラバラだし
なんなら架空の作品出てきたけど許してください












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。