第6話

(北山→藤ヶ谷→玉森→藤ヶ谷side)
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2020/07/08 03:00
次の日、目が覚めると時計は7時を回っていて。

いつでも何処でも眠れる俺が、さすがに昨日は寝つけず頭の中をいろいろと整理するのに時間がかかり
でもイマイチあいつが起こした行動の意味が分からなくてさ。

北山
はぁ…そろそろ準備をすっか


身体を起こし、パンパンと両頬を叩き支度を整え「行ってきまーす」勢いよく家を飛び出せば。

横尾
おはよミツ


そこには横尾さんの姿があり、そして。

藤ヶ谷
よく眠れた?昨日


藤ケ谷は、何事もなかったかの如く笑顔で接し。

北山
うん、まぁ…


(そうだった毎日一緒に学校へ行く約束をしていたんだっけ、あっぶねぇ~破るところだったわ)

こいつの様子はいつもと変わらず並んで歩きながら横尾さんと喋っている、声も言葉も表情も…

(俺なんかストレスが一気に溜まって黒い感情が溢れそうなんだけど)

藤ヶ谷
あっ、そうだ北山


すると、王子様オーラを出しながら何かを思い出したかのように藤ケ谷は声をかけて来て。

北山
ん?なに


横尾さんに聞こえないよう、耳元でコショコショと内緒話をするみたいに。

藤ヶ谷
昨日、言い忘れたんだけどさ
北山
えっ
藤ヶ谷
もしまたあんな無防備なことをしたら


(無防備な…こと?)

藤ヶ谷
あれよりそれ以上の事をしてやるから
北山
はっ?


いきなり笑顔でそう言われ「あれってキスのこと?しかも、それ以上ってなに」

北山
あははっ


俺は、藤ケ谷の言っている意味が分からず笑って
誤魔化す。

藤ヶ谷
だから、その時は覚悟しろ


ニッと笑いながら「覚悟だと?やっぱり俺は殺されてしまうのか」

藤ヶ谷
楽しみだなぁ~
横尾
んっ?


藤ケ谷は又もや怪しい笑みを浮かべ一瞬、時が止まった気がした。そのあと、茫然としながらも学校へと行き教室へ入る、と真っ先に。

二階堂
俺のミツうぅ~っ


とか言いながらニカが抱きついて来て「うっ…」

北山
ちょ、離れろ朝っぱらから
何をやっているんだ?


(どこで間違ったスキンシップの仕方を覚えたのか、こいつは?そのせいで被害に合う俺の身になれっつうの)

二階堂
えぇ~やだぁ離れたくない、だって
ミツすっげいい匂いがするんだもん
北山
はっ?


すると今度はスリスリと身体ごと擦りついて来て「はぁ~マジでやめてくれ意味わかんない、お前は猫か」半分、呆れ返っていると。

二階堂
俺、ミツ不足なの
北山
いや、そんなの別にいいから
二階堂
またまたぁ~照れちゃって可愛い俺はミツの気持ち十分に理解しているから大丈夫だよ
北山
何を言っている?


(その逆じゃん全然わかってない)

二階堂
あぁ~ミツが欲しい欲しくて堪んない


ギュッと抱きしめている、その手の力がいっそう
強くなり「もっ、誰でもいいから何とかしてくん
ない?こいつ」心の中で助けを求めていた、その
とき背後から黒い塊が。

藤ヶ谷
おいニカ、誰の許可を得て
北山に触れている?


ぶわぁっと闇のオーラを身にまとい藤ケ谷が不機嫌そうに俺とニカを引き離して目の前で物凄く恐ろしい笑みを作っている。

二階堂
ミツはガヤのものじゃない勝手に
彼氏ヅラするな


ニカはニカで意味の分からない日本語を使い藤ケ谷をキッと睨んでいるし。

「マジでこいつバカだ、お前の頭は飾りか?はぁ~もう何だか疲れて俺までポカンとなっちまう」そんなことを考えていたら藤ケ谷は堂々とした顔つきで

藤ヶ谷
いずれは俺のものになる北山の身体
から溢れている香りは生まれたとき
から俺だけの為にある、分かった?


(分かんねぇよ、しかも微妙に爆弾を落とし変態発言していやがるし)

二階堂
なんだよそれ?ミツは俺の
藤ヶ谷
吠えてろ勝手に
横尾
やれやれ


はぁ~と溜め息を吐く横尾さん、この二人が喧嘩を始めたら止まらないのは分かっていた。

(いつも意味不明な言い争いを繰り広げ何が楽しいんだか?俺にはサッパリ理解できない、つうかしたくない)

周りを見れば注目のまとになっていて「この空気、やだな」俺は即座に二人を置いたまま自分の席へと腰をかけた、とたんに。

藤ヶ谷
北山、俺から離れるなと言ったよな?


いきなり聞こえた声にビクッとし後ろを振り返ると拗ねた顔をした藤ケ谷が立っていて「ちょっと待てここ教室だぜ勘弁してくれる」

そんなこんなで、また1日が始まりを告げる。




・藤ヶ谷side

(はぁ~これじゃ気が安まるときがない)

横尾
太輔、あの後ミツに何かした
藤ヶ谷
んっ?


自分の席に座り溜め息を吐いたらワタにそう言われた、北山の方に眼を向けると。

北山
セカンドキスまで奪われてさ、それもDだぜD…最悪じゃん‥ったく


(あはっ)

横尾
さっきから独りでブツブツ言っているんだけど
藤ヶ谷
ふっ


(実は、こいつのファーストキスの相手はあの生徒会長ではなくて)

藤ヶ谷
言っとくけど、お前の初キスって
相手は俺だよ
北山
はっ?
横尾
ちょ、太輔
藤ヶ谷
小学生のとき既に済ませておいたから


「ふふふっ」と笑うと驚いた顔をし固まってしまい呆れ顔のワタ。

横尾
何も今、それを言わなくたって~


(だって、しゃくに触ったから北山が違うやつだと
思い込んでいるのが)

北山
しっ、知らねぇもん、そんなの
覚えてない…し
横尾
太輔が寝込みを襲ったんだ
北山
なっ、知ってたのか?横尾さん
横尾
うん、まぁ…ね
藤ヶ谷
いいじゃん俺の方が良かったって
言ってたんだし
北山
蒸し返す?それ


(あははっ、ワタの視線がちょっと痛い)

「何があったのか後でしっかり聞かせてもらうよ」とでも言うように。

(はい、分かっています)

横尾
ミツ、太輔はね
北山
だいたい男同士でキスして何がいいんだか俺にはサッパリ分からねぇ
二階堂
俺には分かるミツとチューしたいもん
藤ヶ谷
お前は黙っていな
二階堂
どうして俺だってミツが好きなんだ
いいじゃん
横尾
ニカ、今は大人しくしとこ
二階堂
ミツは絶対に渡さない


(勝手に言ってろ)

そんなやり取りの中、ふと思い出す廊下ですれ違った気になる彼奴。

横尾
どうかした?
二階堂
ミツうぅ、ふぇ~ん
北山
なつくなってばも~う、はいはい


(あの眼、俺と同じ瞳をしていた絶対にSそれもかなりのドS北山には近づけない方がいい同族の勘ってやつ、ふっ)

もし接触したら、手強いライバルになる気がした。

が、そう遠くないうちにその機会は訪れる事となる上級生が企画した新入生歓迎会の席で、あいつ玉森裕太は標的を北山へと定め俺に挑み掛けるかの如くニヤッと笑ったんだ。

(来いタマ、たがこいつは絶対に渡しはしない必ず
護ってみせる)




・玉森side

(北山 宏光ねぇ~)

ここは1-A、隣のBクラスとは違い大人しい系が多い、いわゆる秀才肌?みたいな雰囲気のクラス。

宮田
Bクラスでは大人気でさ姫と呼ばれているらしい
塚田
あの風貌だろ分からなくもないけど
玉森
ふ~ん


(まっ、この二人は別)

宮田
ただ
玉森
なに?なんか気になる事でもあるわけ
宮田
傍にベッタリくっついている奴が二人
塚田
3人じゃない?
宮田
いや、そいつは勝手についているだけ実際は二人…1人は従兄弟の横尾渉、もう1人は


「あいつか、ふっ」俺は、廊下で出くわした黒い肌の男を思い出す。

宮田
藤ヶ谷太輔、これが結構くせ者らしく
塚田
初日から手を出すなぁーってクラス
メイトの前で叫んだんだって
玉森
へぇ~やるじゃん


(最初にすれ違ったとき一目見て、こいつだと思った小動物のような可愛らしさにクリッとした瞳)

塚田
で、どうするの?玉森


(絶対にモノにしてみせる、そう思い側近の宮田と
塚ちゃんに調べさせたんだ)

玉森
もちろん決まっているじゃん
宮田
タマさん眼が恐いよ


(ふふふっ、狙い目は恒例となっている「新入生歓迎会」その日までゆっくり構えているさ)

亀梨
どう裕太、高校生活は?
玉森
心配いらないよ楽しくやっている
亀梨
本当に?おまえ人見知りが激しいから
玉森
大丈夫だって宮田や塚ちゃんもいるし
亀梨
いいやつ見つけた?
玉森
うん
亀梨
そりゃ良かった頑張れよ応援している
玉森
Thank You


亀梨くんは俺の親戚筋にあたる昔から兄貴のように可愛がってくれ…

(カッコいいんだぁ~なんでも出来ちゃう特に野球、ボールを投げさせたら天下一品)

亀梨
ところでお前、生徒会に入る気はない
玉森
入って何か得することでもある?
亀梨
それは自分次第
玉森
ふ~ん、まっそうだね考えてみるよ


ずっと心に秘めていた性癖、それに気づき「うちの学校に来ないか?」そう言って勧めてくれた。きっと、素晴らしい出会いがあるからと。

亀梨
うちなら自由に恋愛もできるし


(ありがと、その気持ち決して裏切ったりはしないよ必ず結果を出してみせる頑張るから俺)

この3年間を有意義なものにする為に…




・藤ヶ谷side

俺は学校の帰りにワタの家へ寄り、あれから北山との間に何があったのかを話して聞かせた。

横尾
だからって、いきなりキスしちゃう
のはちょっとやり過ぎだったんじゃ
ない
藤ヶ谷
俺からしてみれば消毒のつもりだったんだけどね
横尾
それでもミツからしたらあの生徒会長と同じに見えたかもしれないじゃない
藤ヶ谷
そうかなぁ~
横尾
そうだよ
藤ヶ谷
だって、あいつ隙だらけなんだもん
横尾
そんなの今に始まったことじゃ
ないでしょ
藤ヶ谷
ワタ、俺達もう高校生だよ


(甘いことを言っていたら他のやつらに北山の貞操を奪われてしまう)

横尾
太輔、自信ないのミツに好かれる
藤ヶ谷
そういう問題じゃない無防備すぎて
ハラハラするんだ
横尾
仕方ないでしょミツは俺達のこと恋愛対象として見ていないんだから
藤ヶ谷
けど
横尾
とにかく、これからも


「自分たちで護って行くしかない」(ワタの言って
いることは分かるよ、うん)

横尾
いい?あまり刺激したらダメだからね


(恋愛の事となると彼奴ほんと疎いし、でも俺らが
しなくても周りの連中がほっとかないと思う)

しかし翌日、いつものように北山家へ行ったら。

横尾
えっ、先に出た!?
あら太輔くん達の所へ寄って行くのかと思ったわ
藤ヶ谷
あいつ、あれほど約束したのに
珍しく早起きし出て行ったから
横尾
急ごう太輔
藤ヶ谷
あぁ


俺達は慌てて後を追った、けど既に電車は出てしまった後で仕方なく次のを待ち。が、まさか校門の前で腐女子たちを賑わす事態になっていようとは思いもしなかったんだ。

(はぁ~マジで勘弁してくれ危機感なさすぎ)

藤ヶ谷
北山、待てえぇーっ


しかし、それでも俺は。

北山
ハァハァ、はぁ、俺が悪いんじゃないもん


ダダダダッ!

(どんなに振り回されようと、お前のことが大好きなんだ)

横尾
ミツ、太輔もうやめな皆が見ている


小さな俺のプリンセス…