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第7話

鬼…ごっこ?(北山→横尾side)
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2020/07/09 03:16
小学校・中学校・高校と常に俺から離れず、くっついている横尾さんと藤ケ谷「たまには独りになり、息抜きがしたい」そう思った俺は怒られるのも承知の上で珍しく早起きし彼奴らが迎えに来る前に家を出た、ガタンゴトン、ガタンゴトンー

(しっかし相変わらず混んでるなぁ~仕方がない我慢するしかないし)

電車に揺られ数分後、何やらお尻に違和感を感じる
さわっさわっさわっと、まるで意図的に触れてくる手のひらの感触。

(まさか痴漢?ちょっと待て俺、男だぞ)

が、次第に臀部を揉みだして明らかにそうだと分かったとき全身に悪寒が走り抜ける「どどどっ、どうしよ」いつものように庇ってくれる二人はいない。強張る身体を楽しむかのように、痴漢の手は前へと進み。

「よせ、やめろ~」ズボンのファスナーが下ろされようとした、瞬間にグイッと。

.
おっさん何しとるん?


誰かの手が阻止し、聞こえて来た関西なまりの声。

.
男が男に痴漢?恥ずかしいこと
しよるなぁ


「えっ、今度はなに?」ざわざわっ、ざわっ、ざわつく車内を気にもせず言葉は続く。

.
うちの生徒に手を出すやなんて
こりゃお仕置きもんやで次の駅
で降りてもらおうか


有無を言わさず扉が開いたと同時に降ろされた痴漢
そして俺、それから駅員が来て。

.
悪かったな恥ずかしい思い
させてもうて
北山
あ、その…


(んっ?見たことがあるような、あぁ~生徒会副会長の!?)

北山
あ、ありがとうございました


ペコッとお辞儀をすると優しく微笑み。

大倉
気をつけなアカンで、お前みたいな
可愛いやつは狙われやすい
北山
ぁ…‥


不覚にも、その笑顔に見とれてしまい。

大倉
ほな行こか
北山
へっ?
大倉
学校や
北山
あ、はい
大倉
ふっ


でもそれからが大変だったんだ校門の前には大勢の女子たちがいる、そこを通ったとき。

.
きゃあ~なんて素敵なカップルかしら
.
絵に描いたような王子さまと姫だわ


「誰が姫だって?」ギャアギャアぎゃあぎゃあ、
大騒ぎし。

北山
こいつら何なんで?俺は男だっつーの
大倉
あははっ、おもろい奴やなぁ~お前
北山
はあっ?


(マジで意味が分かんね、この学校)
校内へ入れば…

.
副会長が新しい姫を連れているぞ~


全校生徒が大騒ぎ。

.
誰だ?あいつ
.
知らんの?1年の北山宏光
.
今年の新入生の中で可愛さ
ダントツ1位


(なんだ?それ)

.
俺は玉森って1年がいいなぁ
.
あのツンデレ王子か止めとけ
.
どうして?
.
おかしなペットを連れている
.
宮田と塚ちゃんとかいう奴らだろ
.
今年の1年は面白いのが沢山いるな


「はあっ?お前らのほうがよっぽど可笑しい」と、そのとき目の前に立ちはだかった1人の男。

お前、なんでそいつとおるん?
大倉
なんや知り合いか内


(うっわぁ~出た生徒会長の内博貴)

そいつが竜也が言っとった姫や
大倉
へぇ~そうなん
興味ないんやなかった?
大倉
そっちこそ


(なっ、なんなんだよ?この嫌ぁ~な空気は)

大倉
まっ、今後はどうなるか誰にも
分からへんし
そやな、ふっ


不気味な雰囲気を醸し出し、周りにいた全員が沈黙する。

大倉
決めるんは本人やから勝負は
これからや
負けへんで俺は
大倉
望むところや


ざわざわっ、ザワつく周囲の連中。

.
こりゃ~えらい事になった
.
2トップが1人の姫を巡って競い合う
.
この学校、始まって以来の一大事だ


(何が、えっ?どうしたっていうんだよ)

藤ヶ谷
北山あぁーっ
横尾
ミツ


(うおっち藤ヶ谷!?横尾さんもヤバイめっちゃ恐い顔している)

藤ヶ谷
この騒ぎは、なんなんだぁ
横尾
何をやらかしたの


(何もやってねぇし、しいて言えば痴漢にあっただけ)

藤ヶ谷
答えろ、事と次第によっては


藤ケ谷の言葉を聞いたとたんに、ダッと走り出す。

藤ヶ谷
待て、こらぁーっ
横尾
太輔、落ち着いて


逃げる俺、追う藤ヶ谷。

また、あいつか
大倉
誰?
カメがゆうてた藤ヶ谷とかいう
姫の幼馴染みや
大倉
ふ~ん、あいつがね


(ダダダッ)

藤ヶ谷
北山、待てえぇーっ
北山
ハァハァ、はぁ、俺が悪いんじゃないもん
藤ヶ谷
じゃ、なんで大騒ぎになっている
北山
知らねぇや
横尾
ミツ、太輔もうやめな皆が見ている


校内中を駆けずり回った俺達は「いい加減にしろ」と先生に、こっぴどく怒られる事となる。

担任
いいか、こういった事は歓迎会でやれ
北山
んっ?歓…迎‥会
担任
その時だったら、いくら羽目を外しても構わないから


(なに?それ)

担任
よし、HRを始めるぞ


それから授業が始まって、でも俺はさっき聞いた
言葉が頭から離れず。

担任
明日、恒例の新入生歓迎会をやる
覚悟しとけ皆


「あっ、これか!んでも覚悟って何を?」怪しげな笑みと共に発した先生の言葉にハテナが飛び交う。

.
どんな事をするんですか?


クラスメイトの1人が聞いた。

担任
この学校きっての伝統で
「鬼ごっこ」だ


(へっ?)

先生は躊躇なく答え、ほぼ全員が「はあっ」と目が点になり…(ちょ、待って)シーンと静まり返った教室内「なぜに新入生歓迎会が鬼ごっこなんだよ?しかも、この年齢で?おかしくない」

北山
それって小学生がやるもんじゃ


「いくら何でも鬼ごっこはない」そう思い、ボソッと呟いた俺に対し先生は。

担任
北山、伝統って言ったろ?それにお前は小学生に見えるから気にすることはない堂々とやればいい


(はあっ?ふざけてんのか)

先生は笑顔で言い「嫌味?つうかこの学校、伝統に拘り過ぎじゃね」が、そうとは言えずギロッと歯を食い縛り睨みつける。

(先生なんだからさ言って良い事と悪いことの区別
くらいつくだろ、くっそ)

担任
その眼は誘っているのか?


(はっ?どこに…てか、こんな時によく呑気にそんなことが聞けたもんだ)

北山
なんにです?


先生の唐突な質問に俺は怒りを抑え素っ気なく返す「言っとくけど俺さっきのこと結構根に持つタイプだから」

担任
おまえ聞いた通りの天然だな、いいか誘っているというのはだな
藤ヶ谷
先生、今は保健の授業ではなくHRの時間ですよね?


すると、藤ケ谷が怖い顔をし話を途中で遮り「んだよ?そんなの関係ないじゃん」こいつは、よく変な例え方をするが俺にはあまり理解ができず。

いや、それはひとまず置いといて…

(気がついたんだけどさ、もしかしてそれって喧嘩のこと?だって俺、凄い目つきで先生のこと睨んでいたし、それで喧嘩を売っているように見えた…うん絶対にそうだ)

もし俺に対し、また失礼なこと言ったりしたら完全に殴っていたかもしれないとも思う「あ、そしたら退学になるか…ん~残念」

担任
とにかく詳しいことは後で授業に入る


先生の声でみんな一斉に前を向き、その話はそこで終わった。そして2時限目、3時限目と続いてく。




・横尾side

昼休み、ニカや太輔・ミツと屋上で寛いでいたとき

北山
小学生じゃあるまいし鬼ごっこだ
なんて有り得ねぇわ
二階堂
あれ?知らないのミツ
北山
何が?


「歓迎会と言っても普通のじゃないんだ」とつぜん
そんな声が聞こえ振り返えると。

河合
そこのチビ、よ~く聞けよ
北山
俺はチビじゃねぇつうかお前、誰?
河合
河合郁人、隣のクラスC組
藤ヶ谷
だからって気安く声をかけてくるん
じゃねぇ
横尾
太輔!
河合
そうイキがんなって
藤ヶ谷
なにっ


(やれやれ、また始まっちゃった…はぁ)

河合
お前だろ話題の姫っていうのは?
北山
俺は男だ、そんな呼び方をする方が
間違っている
河合
ほーんと、なんにも知らないんだな
五関の言う通りだ
北山
はっ?お前、あいつのダチか
河合
あぁ


桜台高校の新入生歓迎会、それは少し変わっていて

河合
今朝、派手にやっていただろ
今じゃ有名人だ
二階堂
目立ってたからなぁ
北山
別に好きでそうなったわけじゃないや


毎年、上級生が企画している言わば「初物争奪戦」みたいなもん。

河合
そりゃそうだろうけど、これで完全にお前は標的にされる
藤ヶ谷
いい加減、黙れ
河合
太輔だっけ?お前だって内心は
藤ヶ谷
うるさい
北山
藤ヶ谷、何を苛ついているんだよ?
藤ヶ谷
ちっ


(相変わらず鈍いなぁミツは、しかし河合の言う通りだ、これはかなりヤバい状況とも言える)

河合
新入生ともなれば、あっちの方も未経験のやつらが多い
北山
あっち?
河合
セックスだよ
北山
せっせっ、セッ…ク


(あちゃ~随分とハッキリと言うやつだなぁ、ハハッ)

藤ヶ谷
マジで怒るぞ、お前
河合
だけど、ちゃんと教えてやらないと


(うーん確かに、それも一理ある)

藤ヶ谷
ワタ、黙ってないで何とか言え
横尾
郁人でいいのかな?
河合
おう、じゃ渉って呼ばせてもらう
藤ヶ谷
なに自己紹介しているんだよ、はぁ…
横尾
太輔、ミツにはちゃんと説明して
やった方がいい
藤ヶ谷
でも
北山
???
横尾
歓迎会だけは俺達がどんなに
護ろうとしたって
河合
難しいだろうな
藤ヶ谷
くっ


「だから本人にも、その趣向を理解してもらい自分のことは自分で護らせないと取り返しのつかない事になってしまう」そう言うと、太輔はやっと冷静になり。

藤ヶ谷
分かった、じゃワタから説明して
やって


そんな俺達のやり取りをキョトンとした顔で見つめているミツ。

横尾
よく聞いてミツ
北山
なんだよ?
横尾
新入生歓迎会っていうのはね


昔から日本にある外遊び「鬼ごっこ」や「かくれんぼ」「缶けり」といった今の子たちはゲームばかりをしていて、そういった遊びはしないのだろうけど

そういう俺達も、どちらかと言えばその世代。が、この学校では新入生を歓迎する意味でコミュニケーションと称し全校生徒でそれを行うことになっていた。

でも郁人が言うように普通の外遊びじゃない、今回やる鬼ごっこの場合は捕まってしまったら。

北山
どうなるんで?
横尾
その鬼の言うことを聞かなければならないというルールがある
北山
へっ?
河合
つまり、やらせろと言われたら断れないってわけさ
北山
なっ、何を?
河合
あぁ~もう、こいつ本当に俺らと
同い年か


(あはっ、ミツは正真正銘の同学年だよ)

藤ヶ谷
いい?北山、歓迎会では絶対に俺や
ワタの傍から離れるんじゃないよ
北山
どうして?
藤ヶ谷
他のやつらに捕まったら大変な
ことになる
二階堂
じゃ俺が捕まえてあげる、んふふっ
藤ヶ谷
冗談じゃない、こいつは俺が
捕まえるんだ
北山
はっ?勝手に決めているんじゃねぇよ
河合
俺も参加していいかなぁ
2人
ダメに決まっているだろ(藤ニ)
河合
わっ!?


(やれやれ…ふっ)

北山
横尾さん、よく分からないけど要は
鬼になれば捕まる心配はないんじゃ
ないの


(まぁ、それはそうなんだけどさ問題は)

横尾
歓迎会の主権は生徒会にある


(つまり、あいつらの策略によっては裏でコントロールされてしまう可能性が高い)

北山
えっ
河合
だから、お前は逃げる側にされてしまうかもしれないって事だよ分かった?
北山
冗談じゃない逃げるだなんて真っ平
ごめんだ男は正々堂々と
二階堂
そんなことを言っていたら、あっさり捕まっちゃうよ


そうミツは可愛い顔をしているわりには人一倍男気が強く、こう見えてもサッカーではかなりの強者、バリバリの熱血少年。そんなミツが逃げたり隠れたりするのを嫌がるのは目に見えていて、それだけに俺も太輔も危惧していたんだ案の定「絶対に嫌だ」の一点張りで。

藤ヶ谷
そういう問題じゃないだろ


太輔が言っても、頑として聞かず。

河合
強情な奴だなぁ仕方がない、やっぱりここは河合ちゃんが
北山
だったら俺、明日は学校を休むから
いいもん
藤ヶ谷
はあっ?


(それはそれで嫌なんだよな太輔としては)

河合
だから俺がね
藤ヶ谷
へぇ~入学して早々ズル休みか?
北山
ズルじゃねぇ
藤ヶ谷
ズルだろ、それも逃げているのと一緒
北山
俺は逃げね、そう言ってんじゃん
藤ヶ谷
だったら出て来いよ
北山
あぁ出てってやるさ、でも
藤ヶ谷
なんだ?


太輔も、これを機にミツといいところまでいけたらと思っているんだから。

北山
俺は、お前にだけは絶対に捕まらない
藤ヶ谷
ふ~ん言ったな
北山
言ったわ、ふんっ
河合
あ…あの河合‥ちゃんが
2人
うっせーや(藤北)
河合
なっ、なんなんだよこの二人!?渉うぅ
二階堂
ははっ、よく分からないけどシンクロしている


(あはっ…)

そう太輔とミツには周りが入り込めない二人だけの世界がある、俺はずっとそれを感じ今日まで来た。

河合
まっ、袖すり合うのも多生の縁ってな
俺や五関も協力するよ
二階堂
先輩たちにミツを取られるのはしゃくに障るし


こうして、取り合えず俺達は手を組むことにし。

河合
よっしゃあ
五関
なんに気合い入れているんだか、ふっ


明日という日を迎えるため皆それぞれの家路に着く
しかしそれは更なる波乱へ繋がりミツ争奪戦は思いもよらない方向へ飛び火することになろうとはこのとき俺も太輔、ミツ自身でさえ思ってもみないでいたんだ。

新たな参戦者が加わることで…