第4話

どうすんべ~(北山→内side)
756
2020/07/01 04:34
(でも、なんで生徒会の奴らはキャアキャア騒がれていたんだろ?生徒会って偉い奴らって思ってたけど一般生徒にバカにされているわけ?)

俺は、そこだけは分からなく顎に手を当て考える。そんな様子を見て二階堂が…

二階堂
ミツ、まだ分かってない事が
あるみたいだな


(あったり~ははっ、図星をつかれなんも言えねぇ)

二階堂
つまり、ここの学園の奴らは男が好き同性に好意をもっている=恋愛感情
北山
れっ、恋愛感情!?
二階堂
そう性的な目で見てくる奴が
多いってことさ
北山
はっ?


俺は、これでもかってくらい目を見開いて隣では
藤ケ谷が「余計なことを」と小さく呟く。

二階堂
生徒会の奴らが、みんな美形なのは
けっこう有名でさ


(確かにイケメン揃いだとは思ったけれど)

二階堂
この男子校では人気者だからファンとか好意をもっている奴がいて、キャアキャア騒いでいたってわけ
北山
マジで!?


思わず横尾さんと藤ケ谷の顔を交互に見る二人とも二階堂が言った言葉を否定せず。

(ってことは本当のことなんだな?俺、ここにきて頭を使いすぎている、えっと~つまり生徒会はバカにされているわけではなく皆に好かれている。でも、いくら同性が好きだからってさ自分勝手で自己中な生徒会のどこがいいんだか俺にはさっばり理解できないや、つうか同性好きなんて知らなかったし今まで生きてきて初めて聞いた)

北山
おっ、男を好きになるってことは
ここでは…あり‥なのか?


俺は出来れば否定して欲しかった、けれど二階堂は「当然のこと」ニコニコしながらそう言って。

(そうなんだ、それが普通なんだ…でも俺は女の子が好き、つまりノーマルってやつ?)

北山
なぁ?お前はノーマルなのニカ
二階堂
う~ん、それはミツに会う前の話し
北山
どういうこと?


(俺を見たら変になるってこと?失礼しちゃう、まっニカのことだから反応を楽しむため面白半分で笑えない冗談を言ったんだと思うけど同性に好意ねぇ~世間で言う知らない方が幸せってやつ)

まさに「この事だ」と思う数時間前の自分に戻りたい、そして知りたがっていた自分を蹴りたい。

二階堂
ミツってさ本当に純粋だね
北山
純…粋?


そしたら急に、そんなことを言って。

二階堂
純白でなんか俺色に染めたくなる
食べちゃいたい
北山
はあっ?何を言っているんだよ


ときどき俺は、こいつの言っていることが通じないときがある。でも分かったこと、それは「好かれているような美貌をもった奴らは危険」ってことだ。

横尾
ミツ、理解できたのかな?ちゃんと
藤ヶ谷
さぁ?北山だからね、ふっ


(どういう意味だよ?とにかく俺は安心だ関係ない、むしろ圏外)

藤ヶ谷
油断して何処でも気にせず寝るんじゃないぞ北山
北山
えっ
横尾
気をつけてってこと
北山
なんで俺が?
藤ヶ谷
はぁ~この無自覚やろう
横尾
やれやれ
藤ヶ谷
とにかく俺達から絶対に離れる
んじゃない
北山
意味わかんない
藤ヶ谷
いいな!
北山
おっ、おう


藤ケ谷の黒い笑みが怖くて、仕方なく俺は頷いた「でも気をつけるって何を?俺なら大丈夫なんだ
けどな」

二階堂
も~う気づいてないとか可愛すぎ
俺が護って…


バキッと言い終わる前に鈍い音がし、その途端ニカは悲痛な声を上げ。

藤ヶ谷
それは、もうとっくに間に合っている
横尾
ミツを護るのは俺と太輔だけで
いいんだよ


二階堂の腕を捻りながら藤ケ谷は笑顔でそう言って、横尾さんが補足し。

二階堂
いっ、痛いじゃん…か
藤ヶ谷
当たり前だ痛くしたんだから


(あぁ~またなんで、この2人は争っているんだよ)
すると、ガラッと急に教室の扉が開き。

担任
みんな席につき前を向け~


先生が大声で言いながら教卓の前に立ち、何故だか手にはボックスが。

二階堂
ねぇミツ、今日の放課後にさ
担任
二階堂、おい二階堂高嗣


「あっ、はい」呼ばれて前を向くニカ。

担任
お前には方向感覚というものが
ないのか
二階堂
はっ?
担任
前はこっち
横尾
ぷっ
藤ヶ谷
くくくっ
二階堂
うっ


(あはっ…)

担任
クラス委員を決める誰か立候補する奴はいないか?


ザワザワザワざわつく教室内、しかし誰も手を上げず「いないのなら」そのボックスをバンバンと叩き (まさか!)

担任
この中に、お前ら一人一人の名前が
書かれた紙が入っている


(うわぁ~やっぱり)

担任
今から引くから、それに名前が書かれていた奴がこのクラスの委員長だ


先生は皆の返事も聞かずボックスの中へ手を入れ、そこから紙を1枚取り出し。

「そのやり方で決めんのヤバいって」実は俺、こういうので決めたやつ毎回当たっているんだ、だから嫌いだった「でも、ここには40人もいるし大丈夫かもしれない当たる確率は低い」

が、結果…

担任
決まった北山宏光、お前だ


(えぇ~っ、マジで!?無理だってばぁ)「先生、嫌です」すぐさま拒否った。(そんな面倒くさいこと誰がするか、てか俺には向いてない)

担任
ダメだ立候補がなければこの方法で
決めるのがうちの伝統、もう決まっ
たこと


「はあっ?知らねぇって、そんなのは」しかし何も言えず…(俺って運がなさすぎ意味わかんねぇ~伝統ってなに?)

藤ヶ谷
相変わらず運がないなぁ、ふっ
横尾
ミツ、大丈夫?
二階堂
俺、手伝ってあげようか
藤ヶ谷
お前はいい
二階堂
そんな恐い眼で見るなガヤ
藤ヶ谷
はっ?
二階堂
藤ヶ谷だからガヤ良くない?
このセンス
藤ヶ谷
勝手に言ってろ、ふんっ


(ははっ…今はそれどころじゃないクラス委員になっちまった、どうすんべ~これか)ら

.
えっ、姫が委員長?
.
も、萌え…
.
しょんぼりしている姿、可愛すぎ


が、俺が机で項垂れているときクラスの連中がそんなことを呟いていただなんて知らず。

担任
宜しくな北山
北山
はぁ…


それから放課後になって早く家に帰って休もうかと考えていた矢先、先生に呼ばれ「はい」っと返事をし嫌々教卓の前へ立つと。

担任
さっそくなんだけど、これ
北山
んっ?
担任
職員室まで持って行ってくれる


渡されたのは、数枚にまとめらたプリントの束。
(はあっ?)
北山
ちょ、なんで俺がそんな面倒なことを
担任
だって委員長だろ
北山
いくらなんでも
担任
委員長だろ
北山
俺、早く帰り…
担任
だから委員長だろ?お前
北山
そう…だけど‥さ


(だぁ~帰りたいまで言わせろ委員長、委員長って
しつこいんだよ)

北山
分かりました届ければいいんですね


(負けた…なんか先生の性格が少し藤ケ谷と似ていて怖い、くっそ委員長になったら先生にパシられるのか有り得ない)

担任
それから生徒会室へ寄って
横尾
せっ、生徒会室うぅ
藤ヶ谷
ワタ


(横尾さん?)

担任
なに?どうかした
横尾
俺も一緒に行きます
担任
幼稚園児じゃあるまいし独りで行ける
横尾
いえミツは幼稚園児と同じですから
担任
へっ?
横尾
迷子になるかもしれませんし
北山
ならねぇよ
藤ヶ谷
なら俺も
担任
お前ら北山の保護者か
2人
はい
北山
ちっ


数分後…

横尾
いい誰に会っても、むやみに信用したらダメだからね
北山
どういうこと?
藤ヶ谷
お前は疑うということをまず覚えな
ワタはそう言っているんだ
北山
意味わかんね
横尾
7歳のとき知らないオジサンに着いて行っちゃったのは誰?
北山
子供の頃の話じゃん
藤ヶ谷
今も変わってないし
北山
いっ


(そんなドヤった顔をするな、ハイハイちゃんと真っ直ぐに戻って来ますよ、ちっ…)

自分が頼まれたことだし藤ケ谷や横尾さんに迷惑をかけたくはない俺は呑気にそんなことを考えていた
このあと一緒に行けばよかったと後悔するとは思いもせず。




・内side

(俺は桜台高校の生徒会長を務めとる名前は内博貴、関西人や。この学校では人気者で通っとる、なんせ「容姿端麗」「頭脳明晰」おまけに運動神経は抜群ときとるから家柄も全てよしの完璧人間やし新入生たちにもファンとか親衛隊がおる)

「抱かれたい男No.1」

(学校なんて面倒くさいし気まぐれで来ているようなもんやけど、生徒会になったのかて授業免除という特権がある聞いてな、のんびり出来てええかと思い
しかし、昨日の入学式は超うるそうて鼓膜が破れるかと思おた)

生徒会室の自分の机で、うつ伏せになって思い出す

亀梨
なぁ~1年の姫って知ってるか?


すると突然、生徒会書記の亀梨和也が横からそんなことを聞いてきて。

はあっ?誰やそれ
亀梨
やっぱり知らないんだ


「知らん」俺は少しイラっとし、素っ気なく言葉を返す。

亀梨
ふーん、あっ、大倉は?


と、今度はソファで紅茶を飲んどる大倉忠義に聞いた「こいつも関西人で父親は全国展開している有名な焼き鳥屋の社長さん、ちなみに生徒会副会長」

大倉
いや、知らんけど
亀梨
だよな、お前はどう?竜也


が、呑気にお菓子を食っとる上田竜也に話を振ったとたんにピクッとその身体が反応し。

(怪しい…)

こいつはボクシングを得意としワイルドでストイックな生徒会の会計「お前なんか知っとるんやない」そう聞く俺に。

上田
知らないってミツなんてさ、あっ


(アホや、キョドって「しまった」みたいな顔をし)

知っとるやん嘘つくんやない、この
俺を騙そうたってそうはいかへんで
上田
そういうわけじゃ
大倉
そういえば昨日、珍しく生徒会の仕事で1年の名簿を長く見とったな、あれもしかして


ニヤッと黒いオーラを放つ大倉は結構、腹黒な性格

上田
おっ、俺は顔と名前を知ってるだけで


(ふ~ん、北山宏光ねぇ)

脅しが効いたんか、とうとう竜也は白状し「そうなの?どんな子だった」興味津々に聞くカメ。

上田
絶対に教えない
亀梨
なんで?いいじゃん教えてくれたって
上田
やだっ


竜也は何がなんでも、その北山とかゆう姫とカメを近づけたくない様子やった。

上田
手を出すつもりなんだろ
亀梨
そうじゃないって
上田
じゃなに?
亀梨
俺はさ


(ぎゃあ~ぎゃあ、ぎゃあ~ぎゃあ言い争って煩そうて堪らん)

お前らいい加減にせい、なんでそこまでその1年にかまうんや
上田
別に、いいじゃん俺の勝手だろ


そう言ってまたボリボリと竜也はお菓子を食べ始め

大倉
つまり、たまたま名簿で目にした北山ゆうやつの写真を見て一目惚れしてしもうたんやな
上田
‥‥っ


大倉は頷きながら納得をしたような表情をし反対に竜也の方は、お菓子を咽に詰まらせ胸を叩いとる。

(図星か…)

上田
言っとくけど俺が先に目をつけたんだ勝手に横取りしたら許さないからな


俺らを指差しキッパリと主張する竜也。

(つうか横取り?そんなん知らんて俺は庶民なんかに興味あらへんし、まして1年なんか誰が受けつけるかって話し)

大倉も「同感や興味あらへん」そう言って。

上田
ならいいけど惚れてもダメだからな


竜也は、またもや可笑しなことを言い。

(惚れる?この俺が笑わせんな、そんなの世界が滅びるくらいにありえへんことや逆に惚れさせてまう)

上田
本当に?なら安心だカメも守れ
亀梨
俺が?なんで、惚れるかは分からないけど他は保障できない俺も気になっているから
上田
はっ?ふざけんな


またもや言い争いを始める二人「こいつらバカ?
どうも俺には性に合わへんわ」

亀梨
でも、その姫の王子には気をつけた方がいいって聞いた
上田
ん?王子


少し落ち着いたところでカメが言った言葉に今度は竜也が聞いて。

亀梨
なんでも姫を溺愛しているみたいで
狙うやつには容赦しないって話し


が、次の瞬間「まぁ俺には関係ないけどね」と笑いながら開き直り。

(別に自分にとってはどうでもええ話しやけど姫とか言われるからブリッコかなんかやろうし、そういうやつに限ってこの俺にすぐ堕ちるから面白くもあらへんて、まっ…その姫とやらも王子をよそに媚びを売ってくるに決まっとる、なんたって俺は完璧人間やから罪な奴とでも言いましょか、ふっ)

大倉
そういえば、内
ん?なんや


(俺は、特定のやつは作らへん主義やし自分から人に好意を持った事なんて1度もあらへん毎日が退屈で)

大倉
この資料、職員室まで持って
行ってくれへん
はっ?


すると、とつぜん渡されたプリント「なんで俺が?つうか…んな面倒なこと誰も引き受けんやろ」思わず心の中で呟く。

大倉
ろくに生徒会の仕事もせーへんで
これくらいするの普通やない
あ、いや
大倉
早よう行って来い帰るのが遅く
なってもええんか?


大倉は表情には出さへんけど声のハリが物凄く低く苛々しているようにも感じ、しかも目を見ると絶対に拒否することは許さへんと妖しげに光を放っとる

はぁ~分かったって行けばいい
んやろ行けば


俺は、トントンと机でプリントを綺麗に整えると。

ほな行って来る


仕方なく承諾し部屋を出た、そしてさっきまとめたプリントを片手に職員室へと向かい。

(生徒会室から職員室ってけっこう離れた場所にあるんよな面倒くさ)

あいつ、わざとこんなことを頼みよって後で覚えてろ


苛々していると目の前に小さな人影が「ふっ、いいことを思いついた」

(この俺は誰が何て言おうと全校生徒に顔が利く彼奴にこのプリントを自分の代わりに届けさせればええんや、それならわざわざ歩かなくともええ事になる
はははっ、俺って天才やな)

おい、そこのチビ


俺は柄にもなく大声で、そいつを呼んだ。

(この俺が一般の奴に話しかけるやなんて滅多にない事なんやで感謝しいや)

とか思っていると、そいつは俺の声がようやく聞こえたのかピタッと立ち止まり、だが数秒後には無視しスタスタとまた歩き始め。

(はあっ?なんやねん、この俺を無視?そんなんあり得へんわ!?さては遠くからやったし声を掛けとるとは気づかへんかったのかな?それしか考えられへん仕方がない)

俺は自分の運動神経を生かし、そいつがいる所まで走って行き。

おいチビ止まれ


奴の肩を掴んで、とたんパシッと俺の手が虫を払うかのように払われ。

はっ?


何が起こったのか、すぐには理解ができず茫然としてしまう。

(待て今の状況はなに?まさかこの俺の手が払われた!?あり得へんわ、それともまだ気づいてないゆうねんか?いや、この美しい声で普通は気づくはずや
なんやねん?こいつムカつく、スルーはするし手は払う頭おかしいんとちゃうか?この俺を本気で怒らせ、どの面してんのか見てやろうじゃん)

そいつの肩に手を伸ばし再び置こうとした、その
とき自らクルッと俺の方へと振り返り。

ぁ…‥


文句の1つや2つ言おうとしていた俺は目を見開き、またもや驚いてしまう。

(…んだよ)

振り向いたチビの顔は言葉では上手く言い表せないほど物凄く、いやめちゃくちゃ可愛かったんや。

(こんなやつ、いたん?)

潤んだ瞳、俺との身長差があるせいか自然に上目使いで「誘ってんの?」って思うくらい。

(つうか、なに?この可愛い生き物は)

俺は不覚にも、さっきの苛々など忘れてしまい見惚れ話す言葉を失っていた。

北山
触んな俺は人を待たせてんだよ
しかも俺にとってチビは禁句、
くそっ、死ね、この野郎


が、チビは可愛い顔から想像もできない毒を吐き、また歩き出し。

えっ


急なことに唖然とし俺は、その場で立ち尽くしてしまい「ちょ待て1回、整理させてくれへん」

(知っての通り俺は生徒会長の内博貴、皆の人気者。なのに何故あいつは平気でいられるんや?挙げ句、あんな暴言を吐き慕われ好かれているこの俺に油断してたマジで目を奪われてしもうた俺を見ても驚きもせ~へん媚びも売らん珍しい奴、お仕置きが必要やな)

俺は、ふだん思わんことを考えてしまい自分で自分に驚く。

おもろいやん、この俺を知らんとしても顔を見ればすぐに惚れてまうほどの美貌な持ち主、その俺に興味なしってことやろ?ふっ


初めて会った彼奴を俺は何故だか分からんが物凄く知りとうなり、だから自然と身体は動き気がつけば後を追っていたんや。

それが例の姫だとは知らず…




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