(でも、なんで生徒会の奴らはキャアキャア騒がれていたんだろ?生徒会って偉い奴らって思ってたけど一般生徒にバカにされているわけ?)
俺は、そこだけは分からなく顎に手を当て考える。そんな様子を見て二階堂が…
(あったり~ははっ、図星をつかれなんも言えねぇ)
俺は、これでもかってくらい目を見開いて隣では
藤ケ谷が「余計なことを」と小さく呟く。
(確かにイケメン揃いだとは思ったけれど)
思わず横尾さんと藤ケ谷の顔を交互に見る二人とも二階堂が言った言葉を否定せず。
(ってことは本当のことなんだな?俺、ここにきて頭を使いすぎている、えっと~つまり生徒会はバカにされているわけではなく皆に好かれている。でも、いくら同性が好きだからってさ自分勝手で自己中な生徒会のどこがいいんだか俺にはさっばり理解できないや、つうか同性好きなんて知らなかったし今まで生きてきて初めて聞いた)
俺は出来れば否定して欲しかった、けれど二階堂は「当然のこと」ニコニコしながらそう言って。
(そうなんだ、それが普通なんだ…でも俺は女の子が好き、つまりノーマルってやつ?)
(俺を見たら変になるってこと?失礼しちゃう、まっニカのことだから反応を楽しむため面白半分で笑えない冗談を言ったんだと思うけど同性に好意ねぇ~世間で言う知らない方が幸せってやつ)
まさに「この事だ」と思う数時間前の自分に戻りたい、そして知りたがっていた自分を蹴りたい。
そしたら急に、そんなことを言って。
ときどき俺は、こいつの言っていることが通じないときがある。でも分かったこと、それは「好かれているような美貌をもった奴らは危険」ってことだ。
(どういう意味だよ?とにかく俺は安心だ関係ない、むしろ圏外)
藤ケ谷の黒い笑みが怖くて、仕方なく俺は頷いた「でも気をつけるって何を?俺なら大丈夫なんだ
けどな」
バキッと言い終わる前に鈍い音がし、その途端ニカは悲痛な声を上げ。
二階堂の腕を捻りながら藤ケ谷は笑顔でそう言って、横尾さんが補足し。
(あぁ~またなんで、この2人は争っているんだよ)
すると、ガラッと急に教室の扉が開き。
先生が大声で言いながら教卓の前に立ち、何故だか手にはボックスが。
「あっ、はい」呼ばれて前を向くニカ。
(あはっ…)
ザワザワザワざわつく教室内、しかし誰も手を上げず「いないのなら」そのボックスをバンバンと叩き (まさか!)
(うわぁ~やっぱり)
先生は皆の返事も聞かずボックスの中へ手を入れ、そこから紙を1枚取り出し。
「そのやり方で決めんのヤバいって」実は俺、こういうので決めたやつ毎回当たっているんだ、だから嫌いだった「でも、ここには40人もいるし大丈夫かもしれない当たる確率は低い」
が、結果…
(えぇ~っ、マジで!?無理だってばぁ)「先生、嫌です」すぐさま拒否った。(そんな面倒くさいこと誰がするか、てか俺には向いてない)
「はあっ?知らねぇって、そんなのは」しかし何も言えず…(俺って運がなさすぎ意味わかんねぇ~伝統ってなに?)
(ははっ…今はそれどころじゃないクラス委員になっちまった、どうすんべ~これか)ら
が、俺が机で項垂れているときクラスの連中がそんなことを呟いていただなんて知らず。
それから放課後になって早く家に帰って休もうかと考えていた矢先、先生に呼ばれ「はい」っと返事をし嫌々教卓の前へ立つと。
渡されたのは、数枚にまとめらたプリントの束。
(はあっ?)
(だぁ~帰りたいまで言わせろ委員長、委員長って
しつこいんだよ)
(負けた…なんか先生の性格が少し藤ケ谷と似ていて怖い、くっそ委員長になったら先生にパシられるのか有り得ない)
(横尾さん?)
数分後…
(そんなドヤった顔をするな、ハイハイちゃんと真っ直ぐに戻って来ますよ、ちっ…)
自分が頼まれたことだし藤ケ谷や横尾さんに迷惑をかけたくはない俺は呑気にそんなことを考えていた
このあと一緒に行けばよかったと後悔するとは思いもせず。
・内side
(俺は桜台高校の生徒会長を務めとる名前は内博貴、関西人や。この学校では人気者で通っとる、なんせ「容姿端麗」「頭脳明晰」おまけに運動神経は抜群ときとるから家柄も全てよしの完璧人間やし新入生たちにもファンとか親衛隊がおる)
「抱かれたい男No.1」
(学校なんて面倒くさいし気まぐれで来ているようなもんやけど、生徒会になったのかて授業免除という特権がある聞いてな、のんびり出来てええかと思い
しかし、昨日の入学式は超うるそうて鼓膜が破れるかと思おた)
生徒会室の自分の机で、うつ伏せになって思い出す
すると突然、生徒会書記の亀梨和也が横からそんなことを聞いてきて。
「知らん」俺は少しイラっとし、素っ気なく言葉を返す。
と、今度はソファで紅茶を飲んどる大倉忠義に聞いた「こいつも関西人で父親は全国展開している有名な焼き鳥屋の社長さん、ちなみに生徒会副会長」
が、呑気にお菓子を食っとる上田竜也に話を振ったとたんにピクッとその身体が反応し。
(怪しい…)
こいつはボクシングを得意としワイルドでストイックな生徒会の会計「お前なんか知っとるんやない」そう聞く俺に。
(アホや、キョドって「しまった」みたいな顔をし)
ニヤッと黒いオーラを放つ大倉は結構、腹黒な性格
(ふ~ん、北山宏光ねぇ)
脅しが効いたんか、とうとう竜也は白状し「そうなの?どんな子だった」興味津々に聞くカメ。
竜也は何がなんでも、その北山とかゆう姫とカメを近づけたくない様子やった。
(ぎゃあ~ぎゃあ、ぎゃあ~ぎゃあ言い争って煩そうて堪らん)
そう言ってまたボリボリと竜也はお菓子を食べ始め
大倉は頷きながら納得をしたような表情をし反対に竜也の方は、お菓子を咽に詰まらせ胸を叩いとる。
(図星か…)
俺らを指差しキッパリと主張する竜也。
(つうか横取り?そんなん知らんて俺は庶民なんかに興味あらへんし、まして1年なんか誰が受けつけるかって話し)
大倉も「同感や興味あらへん」そう言って。
竜也は、またもや可笑しなことを言い。
(惚れる?この俺が笑わせんな、そんなの世界が滅びるくらいにありえへんことや逆に惚れさせてまう)
またもや言い争いを始める二人「こいつらバカ?
どうも俺には性に合わへんわ」
少し落ち着いたところでカメが言った言葉に今度は竜也が聞いて。
が、次の瞬間「まぁ俺には関係ないけどね」と笑いながら開き直り。
(別に自分にとってはどうでもええ話しやけど姫とか言われるからブリッコかなんかやろうし、そういうやつに限ってこの俺にすぐ堕ちるから面白くもあらへんて、まっ…その姫とやらも王子をよそに媚びを売ってくるに決まっとる、なんたって俺は完璧人間やから罪な奴とでも言いましょか、ふっ)
(俺は、特定のやつは作らへん主義やし自分から人に好意を持った事なんて1度もあらへん毎日が退屈で)
すると、とつぜん渡されたプリント「なんで俺が?つうか…んな面倒なこと誰も引き受けんやろ」思わず心の中で呟く。
大倉は表情には出さへんけど声のハリが物凄く低く苛々しているようにも感じ、しかも目を見ると絶対に拒否することは許さへんと妖しげに光を放っとる
俺は、トントンと机でプリントを綺麗に整えると。
仕方なく承諾し部屋を出た、そしてさっきまとめたプリントを片手に職員室へと向かい。
(生徒会室から職員室ってけっこう離れた場所にあるんよな面倒くさ)
苛々していると目の前に小さな人影が「ふっ、いいことを思いついた」
(この俺は誰が何て言おうと全校生徒に顔が利く彼奴にこのプリントを自分の代わりに届けさせればええんや、それならわざわざ歩かなくともええ事になる
はははっ、俺って天才やな)
俺は柄にもなく大声で、そいつを呼んだ。
(この俺が一般の奴に話しかけるやなんて滅多にない事なんやで感謝しいや)
とか思っていると、そいつは俺の声がようやく聞こえたのかピタッと立ち止まり、だが数秒後には無視しスタスタとまた歩き始め。
(はあっ?なんやねん、この俺を無視?そんなんあり得へんわ!?さては遠くからやったし声を掛けとるとは気づかへんかったのかな?それしか考えられへん仕方がない)
俺は自分の運動神経を生かし、そいつがいる所まで走って行き。
奴の肩を掴んで、とたんパシッと俺の手が虫を払うかのように払われ。
何が起こったのか、すぐには理解ができず茫然としてしまう。
(待て今の状況はなに?まさかこの俺の手が払われた!?あり得へんわ、それともまだ気づいてないゆうねんか?いや、この美しい声で普通は気づくはずや
なんやねん?こいつムカつく、スルーはするし手は払う頭おかしいんとちゃうか?この俺を本気で怒らせ、どの面してんのか見てやろうじゃん)
そいつの肩に手を伸ばし再び置こうとした、その
とき自らクルッと俺の方へと振り返り。
文句の1つや2つ言おうとしていた俺は目を見開き、またもや驚いてしまう。
(…んだよ)
振り向いたチビの顔は言葉では上手く言い表せないほど物凄く、いやめちゃくちゃ可愛かったんや。
(こんなやつ、いたん?)
潤んだ瞳、俺との身長差があるせいか自然に上目使いで「誘ってんの?」って思うくらい。
(つうか、なに?この可愛い生き物は)
俺は不覚にも、さっきの苛々など忘れてしまい見惚れ話す言葉を失っていた。
が、チビは可愛い顔から想像もできない毒を吐き、また歩き出し。
急なことに唖然とし俺は、その場で立ち尽くしてしまい「ちょ待て1回、整理させてくれへん」
(知っての通り俺は生徒会長の内博貴、皆の人気者。なのに何故あいつは平気でいられるんや?挙げ句、あんな暴言を吐き慕われ好かれているこの俺に油断してたマジで目を奪われてしもうた俺を見ても驚きもせ~へん媚びも売らん珍しい奴、お仕置きが必要やな)
俺は、ふだん思わんことを考えてしまい自分で自分に驚く。
初めて会った彼奴を俺は何故だか分からんが物凄く知りとうなり、だから自然と身体は動き気がつけば後を追っていたんや。
それが例の姫だとは知らず…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。