俺には昔から絶対に勝てない最強のライバルがいた
そいつはとことん北山に好かれていて生意気でムカつくやろうで、あいつの視線を独り占めにする。
そう、そいつの名は「お肉」北山はこの肉が関わると意地でも本気を出し人の言う事なんて耳には入らず。
新入生歓迎会の鬼ごっこ事ケイドロでも、おバカな妄想を抱き。
さっきからいろんな所を捜しているけれど見つからない、俺はまた何処かで眠ってしまっているんじゃないかと心配で堪らず。
(あいつ本当に何処でも寝ちゃうタイプだからさ手がかかって仕方がないんだよ、あぁ~こんなんだったら発信器でも付けときゃよかった)
そう思っていると何やら怪しげな集団がやって来て
(可愛い、超やばっ、抑えられなくなったらごめん
ワタ)
逃げる彼奴を追い辿り着いた納屋の中、そこで。
(んふふっ、美味しく頂いちゃいました)
(ぷぷぷっ)
ワタが言ったように、歓迎会は既に終了し体育館では結果発表なるものをやっていて。
きゃあ~と物凄い悲鳴があがる「相変わらず人気者だな生徒会は」
言いかけた途端にステージに上がったその姿を目にし北山の瞳がこれでもかってくらい大きく見開いた
(あいつ生徒会だったんだ確か昨日、図書室で北山といた結構なイケメンやろう)
会わせてしまったのは、俺の人生の汚点でもある
(んっ?それってもしかして)
「あはっ、あははっ」と何故だか引きつった笑みを浮かべている北山。
(つまり、なんだ?1番安全な場所だと判断し図書室へ行ったら)
(こいつマジで気づいていなかったんだ、はぁ…)
(北山が生徒会を嫌っているのを知り名乗らなかったのなら騙したのと同じ、ちっ、許せないな)
(そんなことよりそっち?北山らしいと言えばそうだけど)
隣で話を聞いていた五関が口を挟む、主権は生徒会なんだからと。
「おごるのは俺なんだけど、ふっ…」しかし、その無邪気な笑顔に弱いのも事実で。
俺達は何故だか五関たちも一緒に、みんなして焼き肉を食べに行き、こうして新入生歓迎会は幕を閉じる事となる。
それぞれの想いを胸に…
・北山side
翌日…俺は再度、藤ケ谷に念を押され。
頷き答えた「もう図書室には行かない」…と。
(つうか会いたくもない、まさか亀梨先輩が俺が嫌いな生徒会だったなんて聞いていなかった、いや今にして思えば俺を騙し楽しんでいたのかもしれない、くっそ人で遊んだらダメだって小学校で習わなかったか)
(出た、また始まったマジで好きだな伝統、ははっ)
(なるほど、あぁ~めんどくさ)
(確かに、なんも言えね)
Aクラスの委員長はあの玉森裕太、タマって呼ばれていた奴だって知ったのは歓迎会でのこと。
意味深に笑い、その1つがこれってわけ。
(ついていけね、なんで全部捕まえるやつなんだよ)
(俺には理解できない…)
それから取り合えず「缶けりでいいんじゃね」無難な線でそう決めて。
(まっ、後でタマからダメ出しをくらったけど「あれじゃミツを捕まえられない」とかなんとか、んなの知ったこっちゃない)
そんなある日のこと…
昼休み、先生に呼ばれ。
(要するにわざわざ職員室までプリントを取りに行くのが面倒だから俺に頼んでいるってわけか)
(はいはい、分かりやした)
職員室の近くには保健室がある「ん~それってつまりベットがあるってことだよな…むふふっ、はっ、ダメだ寄り道をしたら怒られてしまう」
悪い虫が囁いた「覗いてみたい…」図書室にあったソファーの感じからして保健室のベットは、さぞかしフカフカしているんじゃないか?そう思ってしまい…「ちょっとだけ」悪魔の誘惑、そしてガラッとその扉を開けて。
声をかけるもシーンと静まり返った室内、物音ひとつしない俺は中へと入りキョロキョと周りを見渡す「校医の先生もいないのか」それからベットがある奥の方まで行くと。
(なっ、なんか男の人の高い声が聞こえた!?今のは、なに?絶対に誰かいるな)
カーテンを開けた、次の瞬間!
そこには、信じられない光景があったんだ。
全裸でいながらも全く動じず固まってしまった俺に対し笑顔を向け嬉しそうに話し掛けて来る亀梨先輩
(いや、ちょ…っと、これは一体どういう状況なわけさ?なぜ俺は男子2人の裸姿を目撃しなければならないのか)
1人あんぐり口を開けていると、先輩に押し倒されていた男子は慌てて服を着て顔を真っ赤に染め走るように俺の隣を横切り出て行ってしまい。
(いや、かなりしづらい)
そんなこと別に聞いてはいないけど、わざわざ説明してくれる先輩「親衛隊って確かファンクラブみたいな組織だったよな?」それは分かった。
(が、なぜ裸になる必要があったのか)
(具体的に教えてくれないと分からない、決して頭が悪いからとかそういう問題ではなくこの人が難しい言葉を使っているだけの話し)
「宏光の初めてを奪いたい」最後の方をやけに俺の耳元の近くで囁き…(てか今「宏光」って、呼ばれた気がする)
鳥肌が立つ「それに言葉に早いとか遅いとかないんだつうの」心の中で呟き。
そう言いながらクスッと笑う亀梨先輩、よく分からない。
今も裸のままの先輩に言う、ほどよくついた腹筋がさっきから目の前でチラついて変な意味ではなくて目のやり場に困る。
(言っている意味が全く理解できない、それに下半身の部分は運よく布団で隠れているとはいえその姿で近づくのはやめて欲しい)
戸惑いながらお願いするも先輩はお構いなしに顔を寄せ「マジで勘弁してくれる」目の前、数センチに迫る距離にきたとき流石の俺も自分の中でなにかがプツンと切れた音がし。
苛立ちを募らせ、その端整な顔を思いっきりグーで殴った。
とたん先輩は悲痛な声を上げ咄嗟に自分の頬を手で覆って「服を着ないからいけないんだ、ふんっ」
ぶつぶつ言いながら着始めて悪気はないのか?それとも気にしてないのか、この人の行動や発言は俺には意味不明なことだらけで。
そろそろ職員室にプリントを取りに行かなくてはならないしベットから降りようとした次の瞬間ドサッと「えっ、押し倒された」不意打ちだった為、唖然とし言葉も出ない俺…しかも、何故だか肩を両手で抑えられ身動きが取れない状態で。
口角を上げ、ニヤっと怪しげに笑う先輩。
(寝るのは大好きだけどそんな時間、俺にはない先輩は免除されているからいいけどさ)
あまりにしつこいので「独りで寝れないのかガキ」そう言ってやった。
(ちなみに俺は、バリバリ独りで寝れる年上なくせに子供みたいだな)
しかし、先輩は俺を離そうとはせず。
んな訳の分からないことを言い「俺が来る前?確か裸になっていたような…うわっ、無理!」ゾクッと全身に寒気が走り抜ける。
(そんなの一般常識で誰でも知っていることじゃん)
が、先輩の顔を見るとポカンと口を開け固まっていて「どうしたんすか?」不機嫌気味に聞く。
(だってさっきからバカみたいにピクリとも動かない
そりゃ俺だって嫌な気分にもなるさ、てかそろそろ両手で抑えつけるのやめてくんない?ジンジンしてきた、いい加減に離してくれ)
とつぜん固まった顔で、そう聞く先輩「やっと言葉を発したと思ったら質問、つうか保健の授業?」
(そんなの当たり前だ小学生だってやっている、けどまぁ~俺は先生が何を言っているのかイマイチ理解できなかったけど頭が悪い証拠でもある…が教え方にも問題がある、それに何度か藤ケ谷に一日中耳を塞がれ授業していた時もあった彼奴の眼力で先生には怒られなかったが、ああ~懐かしい)
ふと昔の記憶に浸っていたら「クスクス、クスッ」先輩が。
また笑われたことに腹が立ち。
(なに?その人をバカにしたような言い方は、よけい気に触るんですけど)
「ニヤニヤ笑うより言いたい事があるんなら直接、面と向かって言え」反抗的な態度をとる俺に先輩は…
(おっ、今の俺なんて男らしいんだ、つい自分に見とれてしまった…てか、何も知らないだなんてそんなことない相手に失礼だろ天然記念物とかそりゃないじゃん保護動物かってんだ俺は)
すると、空気が一転し。
「ねっ、分かる?」と先輩、俺の太ももあたりに
膨らんだあるものを擦りつけ。
ニコッと笑い…(えっ、なんだよ?この物体は…アレ‥だよな)
口角を上げ、ニヤニヤしている「はち切れそうって、それ」
冷静に言った、昔お父さんが言っていたことを思い出し男はココがでかいほど格好いいとか立派、要するに大人の仲間入り?みたいな…
ちなみに俺のココは、一向に成長という言葉を知らない。だから今、変なやり方で自慢しているであろう先輩に殺意が芽生える。
が、何故だか先輩は勢いよく俺をガバッと強く抱きしめ「意味わかんねぇ」しかも。
笑顔でそう言い…(信じられない)
危うく自分のプライドを傷つけるところだったことに気づき慌てて言葉を飲み込む。
(あっ、ぶねぇ…ふぅ)
ここで見下されては堪らない、てか「んっ?太ももあたりに異変が」さっきから擦りつけられてた先輩のが、また大きくなったのが分かる。
(また訳が分からない言葉を使いやがった)
(はあっ?そんなのあるわけないじゃん)
(そりゃ、まぁ…)
ふふふっと、不気味に笑う先輩「確かに少し大きくなったのは分かったけど、なんでかは分からない」
それしか頭に浮かばなく真面目に質問したのに先輩は盛大に吹き「何も、お腹を押さえてまで笑わなくたっていいじゃん」