第9話

魔界の代表者
9
2020/08/26 22:22
(サタナー)行くぞ。

その一言で、サタナーの攻撃が始まった。
ついに戦闘開始だ。

サタナーは、魔界の代表者。
魔界の代表者は、皆、体のどこかに力を集中させ、
強化し、パワーをアップさせる。

だが、サタナーは少し違う。
サタナーの両腕には包帯が巻いてある。
(※厨二病ではない。)
その包帯は、サタナーが相手に攻撃をする時、
勝手に解け、その腕の周りをグルグルと
回転している。

多分、サタナーはこの包帯に力を加えているのだ。

実は、体のどこかの部位に直接力を入れるのは、
戦闘終了後の疲労がもちろん多くなるため、
サタナーの包帯に力を加え、さらにその包帯から徐々に力を入れていくのは直接ではないので、疲労が少ないのである。

シュンッ!!!!!

気付いたらもう、サタナーの姿は宙にはなく、
そこにはクォーレさんの姿があった。

(アグロ)クォーレ!!!!...くっ...ふっ!!!!
(ゴンッ!!!)

(サタナー)ぐっ...はっ....!!(ボタッ)

殴られたクォーレさんの方を向き、叫ぶアグロさんに
隙を与えないように、サタナーは右拳を
アグロさんの腹へと直撃させようとする。
そこをアグロさんは、右へと避ける。
そして、アグロさんは右足を高く上げ、サタナーの
背中へとかかと落としを喰らわす。

(アグロ)よし、セルクル!!!!!!

アグロさんがセルクルさんの方へと向き、
セルクルさんは、クォーレさんが殴られた衝撃で
体が固まっていた。
だが、アグロさんが名前を大声で呼んだ事で
ハッとしたのか、セルクルさんは焦りながら
サタナーの方へと左腕をのばし、
弾幕攻撃を開始する。

しかし、クォーレさんが倒れた事にあまりに
動揺を抑えきれず、腕が震えていた。

そのせいか、弾幕が色々な方向へと飛ぶ。

(アグロ)お、おいっ!!セルクル落ち着けって!!
危ねぇっ!!!(ヒュンッ!!!)

アグロさんは弾幕のリングを間一髪で避ける。
しかしその瞬間、サタナーはアグロさんの左手首を
強く握りアグロさんを振り回す。

(サタナー)...っは...ぐっ..吹っ飛べぇっ!!!!

先程の背中への衝撃がまだ残っているのか、
痛みを耐えながらも、アグロさんをセルクルさんの
方へと手首を離し、思いっきり投げる。

(アグロ)うわぁぁぁあァァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!

アグロさんはそのままセルクルさんと、額同士で
ぶつかった。その後、2人はそこで倒れる。

(アール)皆さん!!

僕は駆け寄ろうとした。が、その時。
この場を離れようと、飛ぼうとしたサタナーの
足元を見て、僕はゴクリと唾液を飲む。

(....凄い。さすがの代表者も気付いてないのか)

あれは..."魔法陣"!!

その魔法陣の方へと手を伸ばしていたのはセルクルさん。セルクルさんはニヤリと笑って何かを見ている。

それはクォーレさん。
クォーレさんは、地面に倒れながらずっと自分自身を
強化していた。...あれは、2段階。

シュンッ!!!!

クォーレさんは凄い速さで、サタナーの目の前へと移動し、両手首をガッチリと掴む。

(サタナー)...!!

驚きに一瞬サタナーが固まった隙を見逃さず、
クォーレさんはサタナーを魔法陣の方へと、
一気に落とす。

サタナーは手首を掴んでいるクォーレさんの手を
外そうとするが、2段階強化されたクォーレさんは
そう簡単にその手を離さない。

すると、

(セルクル)!!クォーレちゃん!!危ないっ!!

サタナーは、包帯を足の方へと移動させて、
足に力を集中させていた。

すると、クォーレさんはコクリと頷く。
それを見て、セルクルさんはアグロさんの方を見て
互いに頷いていた。
な、なにか策が...?

すると、セルクルさんは立ち上がり、
もう一度、しっかりと左腕を向ける。

まさか...クォーレさんごと?
確かにサタナーは力をためることに必死で
下の魔法陣には全く気づいていない。

そして、そのまさかだった。
クォーレさんは手首を掴んだままサタナーを
離さない。
力の集中が完了したサタナーは、1発。思いっきり
足蹴りを喰らわそうとする。
足を下に少しおろし、勢いをつけた瞬間。

ブォン....ヒュンヒュンヒュンッ!!

下の魔法陣が黄色く光だし、その魔法陣から
一斉にクォーレさんとサタナーを目掛けて
何十ものリングが物凄い速さで飛んでいく。
3色のリングが魔法陣から、次から次へと出てくる。

(サタナー)ぐっあっ...ア゙ア゙ア゙ア゙.....!!!

あまりに大量なリング。サタナーかクォーレさんに
当たっているのか、リングは2人のところで途切れ、
そこらには煙が上がっていて、何も見えない。

2人はどうなった...!?
そう思い辺りを見ると、セルクルさんの元に
クォーレさんはいた。
しかも...無傷だ。一体どうやって...?

その反対側には、サタナーがなんとか立っていた。
すごくボロボロで、羽の所々が傷付いていた。

...戦闘終了?








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