……坂田さんのお兄さんが…死んだ…?
〜志麻side〜
わわっ、年上の人や…!!
ちょっと怖い…
あっ、笑った顔、さかたに似とるなぁ…
怖くないかも…
__俺らのこの出会いは__
__破滅へのカウントダウンの始まりだった__
坂田の兄ちゃんは、俺にも優しかった。
まるで本当のお兄ちゃんみたいで、一緒にいると暖かくて、ほっとした。
この数日後、俺らの幸せは消える。
今日は3人で街へ行く日や!!
待ち合わせギリギリになってもーた!!
急がな…!!!!
ドンッッッ!!!!!!
わわっ!!急いでたせいで誰かに
ぶつかってもーた!!!!
バチンッッッ!!!!!!
ほっぺが痛い。
なんで?
痛い、痛い、痛くて涙がでてまう。
バキッッッ!!!!!!
するともう1人の男に腹を殴られた。
なんで?なんでなんでなんで?
怖い苦しい気持ち悪い痛い痛い痛い痛い!!!!!
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
誰か助けて…!!!!!!!!!
この声…兄ちゃん…?
ほんとに来てくれたんや…
と、兄ちゃんは僕を抱きしめ、
優しく頭を撫でてくれた。
泣きじゃくる俺の背中をとんとんと摩ってくれる。
途端、雰囲気が変わり、やつらを睨みつける
兄ちゃん。
_その時の静かに燃える瞳は、今でも忘れない_
そういってやつらが取り出したのは
__1本の鋭いナイフだった__
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!