道枝 Side
終業式が終わって、
俺らは春休みを迎えた
春休みという言葉にみんな浮かれてた
俺もその一人やけど
高橋とのくだらん会話をして、
ちらっとあなたの方をみた
すると目が合って、
頭の上に?マークを浮かべて、
俺を見てた
口パクで『楽しみやな』と言うと
分かりやすく、気づいた反応をして
何度も首をこくこくと動かした
最近思う
前よりもあなたが明るくなって、
どんどん可愛くなっていっとる
やから最近ちょくちょく男に話しかけられてる
今まで見もせんかったのに
そして、式が終わって、
みんなばらばらと教室を出ていった
残ったのは俺と、あなただけ
目を伏せて呟いた
少し寂しそうに
少しでも不安を除けるように、
俺はそっとあなたの唇にキスをした
そう言うと、キラキラした顔をした
可愛すぎねん、ほんま
そして、あなたを俺の腕の中に引き寄せて、
そう呟いた
絶対、何がなんでも惚れさせんからな
俺以外、あなたに触れるのは許さん
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。