土曜日
あるメッセージが来ました
ただでさえメッセージをくれただけでも嬉しいのに、
俺ん家って、駿くんの家?
しかも家誰もいない、、
不安、、
でも行ってみたい
やり取りを終え、5秒…
んー、グレーのスウェットに、ベージュのパンツ?
駿くん、どんな服で来るかなぁ
きっとオシャレだろうなぁ、
私の服を見たらどんな反応するんだろう
私は駿くんのことを考えるのが好きらしい
駿くんのことを考えている時は、いつも笑ってるから
ピーンポーン
扉を開けると、
前とは違って、
黒のスウェットにグレーのパンツという
ラフな格好で、しかもめちゃくちゃ似ていた
服装似てて、嬉しすぎていると
あの、王子様みたいな笑顔で、手を差し伸べる
かっこいいなぁ
駿くんの手を取り、家を出る
一緒に歩くという考えは出ないのかな
でも少し憧れだった
好きな人の自転車で後ろに乗ること
駿くんの乗っている自転車の後ろに乗り、
少し照れながら、私の腕を取って、駿くんの腰に当てる
ゆっくりと、自転車を走り出して、
そして段々と速度をあげる
風になびいて、駿くんの髪の毛が揺れる
その姿にまたドキッと来て、
駿くんに掴まっている力を込めて、
駿くんの背中に身を預ける
気づかれないように呟いたはずが
聞こえてたみたい
本当に好きだよ
その後、私たちは一言も話さず、
ただ、自転車のタイヤが擦れる音と、
吹く風の音だけが私たちを包んだ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。