鎹烏『伝令!!!!伝令!!!!タダチニ柱ハ本部ヘト【二ケ崎恵美】ヲ連行セヨ!!!!!』
大音量で鴉が鳴く。
不死川はそろそろ捕まえたかな?
嗚呼それにしても、恵美に向けてこの全身を震えさせるほどの感情はなんと言うんだ。
怒りではない。勿論怒りも感じでいる。だが違う
憎しみ?違う。この感情ではない
恐怖か?…そうだ。きっとそうだ、この腸が煮えくり返るほどの怒りで人を殺してしまわないか怖いんだ
そうポソりと呟いた
あなたの名字と別れまだ人が通ったであろう気配がするところへ急ぐ
クソっクソっ…何故鬼舞辻と?何故、何故、何故!!!!!
地を張るような低い声がでたのは許してほしい。でなければすぐにでもてを出してしまいそうだ
そうだ。捕縛。連れていけば良い。お館様の命令だ
お館様のことだ、きっと、何か策があるのだろう
あなたの名字が言っていた囮?いや、お館様のことだ、自分の子供達を囮に使う人ではない。では何故?
ブチギレそうになったのを我慢したのは我ながら良くやったと思っている。
何故ブチギレそうになったのか?…こいつはことの重大さを理解していないような振る舞いをしているから…では事足りぬか
は?である。何故今言う?
交渉?もしやではあるが自分と引き換えに仲間の命を助けてやってくれと?
気がついたら殴ってた
先程の非にならないほどのドス声がでたのは正直自分でもビックリだが、これぐらい腸が煮えくり返るほどの怒りを人相手に感じたのは、父親以来だったか
そうだ。そうなんだよ。
アイツは鬼舞辻を殺しても、殺さなくても死ぬんだ
鬼舞辻と相討ちでも良いと本気でおもってる。異様に鬼舞辻を執着してる。だがそれは俺も同じ。
唯一違うのは、たとえ生き残って鬼舞辻を倒しきっても、家族の前で己の腹を掻っ切って死ぬ。それがアイツの理想の死に様。聞くと家の奴らの絶望面が見たいらしい。その日は冗談だと受け入れて流していたが、ある日を境、それは真だとわかった。
アイツの目が違った。いつもと違って優しい目ではなく、なにも写していない、ただただ無気力な目。同僚の冨岡でも、鬼への憎しみが込められた瞳であるのに、その日のあなたの名字は本当に唯なにも写してない瞳であった。聞くとその日はアイツの恋人の命日らしい
ポツリポツリと彼がまた、理想の死に様を俺に話した
それのせいで、冗談ではないと確信が持てた
しかし、このようなこと、本人の許可無しにべらべらと喋って言い筈がない
早々に蹴りをつけ、本部へ向かおう
やっぱり、なにも知らないのか
そう、背を向けた時、ききなれた声が前から聞こえた。十中八九、先程の話の張本人だろう。まさに、噂をすればなんとやらだ
優しい笑顔を彼女へと向ける。否、張り付けた笑みというのか、
相変わらず、難儀だな
先程のはなしを無かったことにしたような仕草をしているこいつが、やはり苦手だ
どうしたい?って…
今あるなかでもっとも合理的な方法はこれしかない
……分かってるくせに
俺にこんな事を言わせて楽しんでいるのか?
だっっrrrrrrrrrrrrrrrrrrっから言いたくなかったんだよクソがっっ!!!
ハァ、この事件からすぐ"あの子"の事件…やることが多すぎる…大丈夫かな…過労で死なないかな……
※ここからは本編ではありません※
ちょっと息抜きに遊んでみただけなので見たくない人は回れ右
あなたはほぼ***としか言ってません
………嗚呼めちゃくちゃわかるよ。
なんせ鬼舞辻は"あの目"をしていたからね。思い出しただけでぞびぞびするよ本気で
今更逃げようとしても無駄だからな、
あのあと一人で調べた俺の調査の結果がこれなんだからな。情報交換なんだから合法だろ?
まぁ、日頃の恨みも予て、盛りに盛りまくった情報を吐くとするか。
ま、盛ったところでそう任務に支障はきたさんし
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。