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第9話

雪に願いを(HAPPYEND)
sideあなた

病院の中を走って走って走った

こんなに距離が長く感じられたのは
いつぶりだろうか

初療室に着いた瞬間
先生が出てきた
あなた

ハァハァハァ…

あなた

先生…
望くんは…

先生
何とか一命は取り留めましたが
出血が多く危険な状態です
先生
今ICUに運ぶところです
先生
あとこれが
小瀧さんのポケットの中に
私は先生から
手紙を渡された
ゆきなへ

今、お前がこの手紙を
読んどるってことは

俺はもうこの世にはいないんやろな

何でこんなことしたか、
気になっとるやろうから
書いとくな

俺はな、お前が記憶をなくして
ホンマに悲しかった

でもな、先生が言った言葉を聞いて
ちょっとだけ嬉しなったねん

思い出してもらえる
そう思ったねん

先生はな
ゆきなさんは

「1番大切な人との記憶を
忘れてしまっています」
って言ったんや

「1番大切な人」

やったって事やろ?

せやから悲しかっただけじゃないねん
でもな、、、

俺、もう疲れてしもうたんや

ごめんな、

俺のこと思い出せなくてもええから

ゆきなに会いに病院に行った時、
ゆきな俺と話せて楽しかった?
俺と会えて嬉しかった?

もしそうやったら嬉しいな

もう、俺のことは
忘れてるかもしれへんけど

俺はずっとずっと
お前との思い出
忘れてへんから

もし、思い出したら

俺のお墓の前で

「思い出したよ」

って言うてくれや!

俺はゆきなに会えて
めっちゃ幸せやったよ

愛してるで

ばいばい
あなた

ッ…
望くん…

私はその場に崩れ落ちた
崇裕
ハァハァハァ…
崇裕
あなた、望は…?
あなた

一命は取り留めたらしいけど
出血が多いからICUにいるって…

あなた

あとこれ…

私は望くんの手紙を見せた
崇裕
あなた、お前は愛されてるな
よかったな
あなた

うん!

ズキン!
あなた

ウッ…
頭が痛い…

崇裕
だっ、大丈夫か!?
その瞬間、私に今まで忘れていた
望との記憶が蘇った
あなた

望…

あなた

お兄ちゃん、私思い出したよ!
望のこと!

崇裕
ほんまか!
あなた

ほんと!
私、ICU行ってくる!

私はまた走り出した