第7話

第7話 坑道にて
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2020/10/29 11:00
 ガラガラと鳴り響いた音が止まる。そこは辺り一面真っ暗闇だった。
かつなり
あ、ちょっと待ってな
 かつなりの手のひらに光の玉が発生し、辺りを照らす。
ふみや
ここが坑道なんだね
しゅうた
かつくんの魔法無かったら積んでたじゃん。真っ暗だもん
こうすけ
まぁ、確かに
かつなり
じゃ、みんなの分も出しとく?
 かつなりはそう言うと魔法を唱え光球を発生させる。その光球をみんなに投げ渡す。
しゅうた
これすごい便利じゃん!
 しゅうたは嬉しそうに光球を頭の上に乗せる。4人はそのまま奥に進むがすぐに足が止まる。
かつなり
二股に分かれてんなぁ
しゅうた
え~、どっちがいいんだろう?
ふみや
二手に分かれる?
こうすけ
まぁその方が効率がいいかもしれないけど、どうやって分かれる?
しゅうた
グッパーする?
ふみや
僕はこっちの道に行く
 片方の道を見据えるふみや。こうすけはその様子を見、何かを感じとる。
こうすけ
そっか、分かった。じゃぁ俺としゅうたでこっち行くわ。かつそっち任して良いか?
かつなり
え?良いけど
しゅうた
えー、こーすけくんとぉー?
こうすけ
嫌なのかよ
しゅうた
そんなわけないじゃん
こうすけ
じゃ、かつ任せた
 と、こうすけがかつなりに近づき肩を叩く素振りで耳元で囁く。
こうすけ
あいつ、なにか隠してる
かつなり
任しとき
かつなりは優しく微笑み頷く。
こうすけ
どうなるかわからないけど、絶対戻ってこような!
しゅうた
こんなとこで終われないですから
かつなり
じゃ、またあとでな
   ※    ※    ※
しゅうた
で、なんでなん?
 二手に分かれたこうすけたちはこうすけのあとをしゅうたがすねたようについてきていた。
こうすけ
いや、なんで関西弁よ
しゅうた
なんでふみやをかつくんに任せたの?
こうすけ
ん?
しゅうた
いやいや、とぼけてもダメだからね
こうすけ
まぁ、何となくだよ
しゅうた
え~、絶対なにか隠してない?
こうすけ
ホントだよ。ただ、何となくかつに任せた方がいいかなって思ったんだよね
しゅうた
俺の方がふみやと付き合い長いんですけど?
こうすけ
まぁ、そうだけどな
 こうすけは歩みを止めると剣を構える。
こうすけ
あとは、こっちのルートの方が
大剣に炎を纏わせ辺りを一掃する。
こうすけ
火ゴブが格段に多い
 辺りにいたゴブリンたちが消える。
 が、すぐ現れる。
しゅうた
坑道…大量の火ゴブ……コウモリ?!
こうすけ
おそらくな、お前ならついてこれるだろ?
しゅうた
もちろん、こうすけ君の期待には答えさせてもらうよ!
 2人は無限に居るのではないかというゴブリンたちに向かって走り出した。

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