真っ白い空間で一心不乱に剣を振るう青髪の青年…ふみやの姿があった。
何かを拭うように…
何かを振りきるように…
れんくん、ごめんなさい………
カキーンっ
ふみやの振るった剣が何者かに止められ、乾いた金属音が響く。
細身の長剣にふみやの剣が受け止められていた。
しゅうたはゆっくりと剣を下ろしニッコリと微笑む。
しゅうたは距離を取り剣を構え直すと、真剣な目付きになる。ふみやも剣を構える。
2人の剣が交わり、辺りに金属の乾いた音が響く。
剣を交合わせながら会話をする2人。
カキィーン
しゅうたの長剣が吹っ飛ばされる。
2人の肩が同時に震え、そして、笑いだす。
2人の目の前にこうすけが現れる。
3人がいる場所は真っ白な空間。そこは魔力で作られた仮想空間で、滞在するために魔力を消費し攻撃力と魔力を同時に高めることの出来る空間である。
ひとりで作ることも出来るが空間を安定させるためには複数人で魔力を分散させた方が効率がよい。
ひとりで空間を空間を作った場合でもフォローとサーチを使うことで共有することが出来る。
真っ白い空間が一瞬暖色に染まり、もとに戻る。
そこへかつなりが姿を表す。
ふみやが一瞬、目を見開き、そして、フワッと微笑む。
4人は修練を再開する。そこには先ほどまで険しい表情をしたふみやは消え、満足と自信に満ち溢れた表情のふみやがいた。
その数日後、ギルドから4人への連絡が入った。
4人パーティの結成許可の知らせだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!