4人は例のワニの行商人から食事を買い、今回はふみやとこうすけがまともなものが当たり、かつなりとしゅうたが激辛わさび入りだった。
川に駆け寄り見下ろすも橋は見当たらない。ただ川は綺麗に青く輝いていた。
川辺まで近づくも橋のようなものは見当たらない。その代わりに真っ白な馬がゆっくりと近づいてきた。
秀太が気づいたときには既に勝就が馬を触ってしまっていた。
馬の下半身が魚のようなものに変わり勝就は水の玉に包まれ川に引きずり込まれる。
康祐は川の水を触ると水が盛り上がり女性の姿に変わる。水の精霊ウンディーネが姿を表した。
ウンディーネは微笑み康祐に手をかざすとシャボン玉のようなものに包まれる。そして、康祐とウンディーネは川の中に入っていった。
二人は剣を構えるも、モンスターと対峙したまま動き出せずにいた。
馬の化け物が下半身を使い攻撃を繰り出してくる。
二人は頷きあって駆け出す。馬の化け物の攻撃を避けながら攻撃していく。文哉の攻撃は次第に荒くなり、怒りに任せて動いているようにも見える。
秀太の声は全然届いていないようで文哉の攻撃は止まらない。その攻撃の穴を見破ったのか、文哉の隙をついて馬の化け物が文哉を吹っ飛ばし次いで水の玉を繰り出す。
秀太があわてて水の玉を受け止める。秀太はそのまま水の玉に包まれ川に引きずり込まれていった。
自分の目の前で起きたことが信じられずにいた。今更ながらに秀太の声が聞こえた気がした。
『らしくないよ、落ち着いて』
その瞳にはさっきの怒りと焦りはなく、決意に満ち溢れていた。
文哉の双剣に青い炎が纏う。文哉が駆け出すと一瞬の隙のない動きで馬の化け物に攻撃を入れていく。馬の化け物がたじろんで川に逃げようとするもそれを阻止する。
文哉の剣は綺麗な弧を描き馬の化け物を真っ二つに斬った。光の粒子に変化し空に飛び橋に変化していく。足元には青い宝珠が落ちていた。文哉はそれを拾うと川辺に駆け寄る。
目にいっぱい涙をためながら、川を覗き込む。
二人の笑顔が脳裏に写る。あいつを倒したらもしかしたら戻ってこれないのかもしれない。倒すまでも時間がかかった、間に合わなかったかもしれない。
優しい関西弁が脳に響く。
辺りを見回すが姿はない。いよいよ空耳が聞こえるようになったか。
その瞬間川から大きなボールが飛び出してくる。中には笑顔の3人が手を振っている。
3人はちょうど出来上がった橋に着地し、文哉も橋に向かって駆け出す。
三人の笑顔にフゥーッと大きく息を吐いて呼吸を整える。
安堵の涙がやっぱり溢れてくる。文哉を囲み3人が励ますように肩を叩いたり背中をさすったりしていた。
4色の宝珠が揃い4人の耳に光輝いていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。