4人は森の中をひたすら歩いていた。
しゅうたは火の魔法を打ちながら愚痴っていた。
後ろから出てきたゴブリンはかつなりが炎の拳で対応していた。
ギルドに入っての最初のミッションは武器を作る鉱石を入手すること。そのために4人は鉱山に向かっていた。鉱山に向かうためには、あの炎しか効かないゴブリンの沸く森を通るしかなかった。
しゅうたはニッコリ笑って息を吸い込み、唄いはじめた。きれいなハイトーンボイスが辺りに響いた。
そして周りから大量の火ゴブリンが飛び出してくる。
こうすけの大剣が周りのゴブリンを一掃する炎を放つ。
しゅうたは力なく頷くも気付いていた。自分の感じる違和感に。毎朝聞こえていた『鳥の鳴き声』が最近全く聞いていなかったことに。
ふみやも俯きながらゆっくりと歩き出した。
ふみやの持つ双剣に青い炎が纏う。
目の前に出てきたゴブリンを叩き切った。
4人は顔を見合せ頷く。
4人は駆け出した。こんな世界だけど、こんな世界だから自分達の出来る事をしたい。少しでも笑顔を増やしたい。
4人の決意がさらに深まっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。