途中旅の行商人から鍋のような食べ物を買ったのだが、なぜかこうすけとかつなりのものは麺のようなものが入っており、ふみやとしゅうたのものには野菜しか入ってなかった。
4人の行く手を阻んだのは10数匹いようかと言う狼の群れだった。
文哉が一人ゆっくりと狼に近づく。もちろん狼は威嚇して低い唸り声をあげている。
文哉がしゃがみこむ。狼はゆっくりと文哉を取り囲む。
いつのまにか文哉は狼のなかの一匹を撫でていた。首をさわって貰い気持ち良さそうな顔をしている。
ふみやが狼たちを一撫でして奥に向かう。そこには小さな洞穴があった。
こうすけが先頭になって洞窟を進む。
狭い洞窟の奥に少しだけ開けた場所に出る
そこに現れたのは美しい和装の女性だった。こうすけに向かいニコニコと微笑んでいる。
火を司る神様-コノハナサクヤヒメ-がニコニコと微笑んで頷いている。
『あなた方がここにこられることはわかっていました』
脳に直接声が聞こえてくるようだった。
『あの日、こうすけと会ってから長いこと待ちましたが』
『私の目には狂いはなかったようです』
『さぁ、指輪を出してください』
4人は頷いて手を出す。指につけられていたこうすけが錬成した指輪にコノハナサクヤヒメが口付けをする。するとそこに小さな宝石がつく。
『あなた方の旅路が素敵なものになりますように』
そういうとコノハナサクヤヒメは桜の花びらをまとい消えていった。
4人は決意を新たにして洞窟を出た。そこで待っていたのはもちろん新たなミッションカードだった。
『巨大な巨石から黄色い宝珠をゲットせよ』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。