朝がやってきた。こうすけが目を覚ますと、丁寧に荷物を枕にし布をがかけられていた。辺りを見回すと、太陽に向かって伸びをするかつなりと昨夜のまま布にくるまって眠るふみやとしゅうたがいた。
2人が話していると、なにか殺気を感じる。ふと2人がその方向に向くとスライムが何匹かこちらを見つめていた。
2人が構えようとすると、ふみやがムクッと起きて目を擦る。
ふみやは立ち上がり首を回すとそのまま戦闘姿勢にはいる。
スライムは寝ぼけているであろうふみやに向かって来たがふみやは颯爽と斬り倒していく。
一匹斬りそびれてふみやの後ろに飛んでいく。そこには気持ち良さそうに寝ているしゅうたがいて、しゅうたの顔面にスライムがぶつかる。
かつなりがフォローに入り倒すも既に遅し。しゅうたの顔にはベッタリと緑色の粘液がくっついていた。
『しまった』と言う様子で頭をかきながら首をこくこくと頷くふみや。
しゅうたの状況につい笑ってしまう3人。起きたばかりのしゅうたはまだ事態がつかめていないようだ。
こうすけが濡れたタオルを渡ししゅうたはそれで顔を拭う。
しゅうたの持つタオルを使ってかつなりがしゅうたの顔を拭いてあげている。
『真っ赤に燃える祠で赤い宝珠をゲットせよ』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!