
第14話
気づいた
ピッ...!!
ホイッスルの音が体育館に響き渡ると同時に
コート内に散らばる選手達。
その中に有岡先輩と山田先輩もいる。
あとから知ったことだけど
今回の試合相手は結構な強豪校らしい...
「頑張れ...」
小さく呟いた。
バスケはあんまり詳しくないけど
今、私が二人のためにできることは
精一杯応援することだ。
その時
相手チームの応援者の歓声が大きくなった
△△「あー、先に点取られちゃったね...」
『だ、大丈夫だよ!まだ時間はたくさんあるし。』
私が励ますために△△にかけた言葉は嘘ではなかった
どうしてかというと
その数秒後に山田先輩がシュートを決めたからだ。
△△「山田先輩ナイスシュート!!」
《キャー♡涼介くんかっこいいっ!!》
やっぱり山田先輩って...すごい。
「さすが、エースだね!」
△△「うん。次は有岡先輩の番だよ!」
それからは、相手チームはどんどん点数をとって
残り1分の頃には私たちのチームを1点上回っていた。
△△「やっぱり強豪校は強いね」
『うん...』
心の中で諦めかけようとしたそのとき
山「大貴っ!!」
山田先輩の投げたボールが
有岡先輩に渡った
その瞬間、素早いドリブルで相手チームを交わしていく有岡先輩
△△「すごい...」
そして
キュッとシューズと床が擦れる音と同時に
ボールが高く舞った
体育館がしんと静まりかえる
お願いっ...
ぎゅっと手を握って祈った
ガコンッ
は...
『入っ...た...』
どっと湧き上がる声援
嘘...みたい...
△△「あなたっ!すごいよ!有岡先輩!!」
驚きと、何かで胸がいっぱいになって
コクコクと頷くことしかできなかった
ピーッ!!
試合終了のホイッスルとともに有岡先輩に飛びつく選手達。
真ん中には嬉しそうな有岡先輩。
勝てたんだ...
「皆すっごくキラキラしてる...」
かっこ良すぎるよ...
「有岡先輩っ!!」
騒がしい声援のなか声の限り叫んだ
すると、こっちに気づいたみたいで
先輩は腕を高く上げてガッツポーズをした
流れる汗さえも貴方をかっこよく引き立てるわけで
私はそれに笑顔で応えた。
有岡先輩____
私気づいたみたいです_____
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