次の日の朝
休み時間にそれは起こった。
何故か私のクラスの前に女子の人だかりができていて、何やら騒がしそうだった。
そのとき、扉が開いた。
『ねーねー、このクラスに△△さんいるー?』
そう言ったのは3年の有岡大貴先輩だった。
その後ろに山田先輩もいる。
たしか、二人は仲がいいことで有名だったような...
ってそんな場合ではなく!
有岡先輩に呼ばれたのは
△△「私、ですけど...?」
クラスの全員の視線が△△に集まる
『昨日はありがとうね。』
そう言って有岡先輩のポケットから出てきたのは
「あ。昨日の。」
『嬉しかったよ。“ずっと気になってました”って 』
△△の表情が固まった
え、いや、あの...と言いながら△△は私を睨んだ
△△「あなた〜、ちょっと来て。」
私はなぜか後ろに連れていかれ
△△「昨日の手紙どの靴箱に入れた?」コソッ
「3年C組の12番でしょ?」
△△「えっ!?私12番じゃなくて21番って言ったじゃん!」
「そうだっけ?←」
△△「もーっ!どうしようっ。」
『あのー』
教室の後ろでコソコソと話す私たちに
口を開いた有岡先輩。
『それで、返事しに来たんだけどー』
△△「えっ、あー、あの違うんです!」
そうそう、頑張れ△△!
それで、誤解を解くんだ!
自分のせいだけど
△△「手紙入れたの、あなたなんです!」
...
ん?え?
すると有岡先輩は固まった
△△は口パクで“ごめん、許して”と手のひらを合わせた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。