第16話

気づいた⑶
703
2018/09/23 07:19


『うーんまっ!やっぱ夏と言ったらこれだよな!』

もう、夏終わるけどね。

そんなことは気にせず

アイスを口いっぱい頬張る有岡先輩。


あの後、私達は帰り道のコンビニでアイスを買って、
近くのベンチに座って食べることにした。


『思ったけど、なんでアイスなの?笑』


うっ...、1番触れられたくないことを、、


「この前ジュース貰ったし...
今日の試合にも誘って貰ったので、そのお礼です!」


なんて、嘘ついたけど...


『別に良かったのに。笑でも、ありがと。』


あ、笑った...

この笑顔ずっと見てても飽きないんだよな...




本当は、一緒に帰ろうかって言われた時

はいっ!って言いたかったけど、言葉が出なくて

結局こういう形になってしまった。



もっと素直になりたい。



もっと、一緒にいたいです。って言いたい。



付き合ってもないのに
こんなこと思うなんておかしいよね...笑


悔しさと切なさで少し胸が締め付けられた。


『ねぇ...食べないの?』

有岡先輩の声で現実に帰り


「あ!」


袋の中にあるアイスの存在を思いだした

はぁ、溶けてなかった。

セーフセーフ((


『ほんっと、ドジだなぁ...お前。』



「有岡先輩から言われたくありませんよ!」


ちょっと嬉しいなんて思いながら
自分のガ〇ガリ君を頬張った。


「ん〜、おいし!」


『俺が、ちっちぇー頃ずっと食べてた味だから懐かしい。』


有岡先輩はソーダ味。

私はコーラ味。


前は、このアイスみたいに私と先輩って
全く反対の性格なのかなって思ってた。


だけど、この前△△言われたの。


△△「有岡先輩とあなたって、なんか似てる。
子供っぽいとことかね笑」


はぁ?って思ったけど実際そうなのかもね笑

って最近感じる。


『ねぇ、今日の試合どうだった?』

私が考えごとばっかして、難しそうな顔してたから話しかけてくれたのかな。


「皆かっこよかったです!
なんか、すごくチームの絆を感じました。」

『そっか。良かった。』


「あ!特に山田先輩のシュートとかすごくかっこよかっ、た、です...」


熱弁してて、有岡先輩のこと忘れてた。

気づいたときにはちょっとムスッとした顔。


『ねぇ、やっぱり、山田のこと好き...?』


え?


「やっぱりって?」

『...この前、山田とお前が相合傘して帰るの見たから、』


あ...

私が傘忘れた日の事だ。


あれ、先輩知ってたんだ。




「山田先輩のことは、確かに優しいし素敵だなって思います。」


「けど、“好き”とはちょっと違うっていうか...」







「それよりも、今日の先輩が1番かっこよかったですよ...?///」




自分なりに勇気を出して言った言葉。



『あっ!!』


ん?((


『当たった!!!!』

先輩の手には当たり、と大きく書かれたアイスの棒。


待って、今私が勇気を出して話してたのに!


本当に呆れる...





次は私がムスッとなりました。

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