「え...嘘でしょ。」
学校が終わり、靴を履いて外に出てみると
雨。しかも結構な土砂降り。
「さっきまで晴れてたのにっ...」
お母さんの嘘つき。
傘いらないっていったじゃん!!
だけど、うちの母も流石にそんな予知能力がある訳もなく...
お母さんごめんなさい。
△△は補習で残されてるからここにはいないし。
周りを見渡すと、やっぱり突然の雨に雨宿りをしている人がちらほらいた。
「雨止むまで待つか...」
そう呟いて、バッグの中の文庫本に手を伸ばしたとき。
「ひっでぇ雨だな。」
「あ...」
山田先輩だった。
山「傘、持ってないの?」
____
私がこんなことをしてもいいのでしょうか。
山田先輩と相合傘なんて...っ
周りからの視線が痛い...
山「大丈夫?濡れてない?」
なんて言ってる割には
山田先輩の左肩少し濡れてるし...
『大丈夫です...』
さりげなく車道側歩いてくれてるところとか
本当に申し訳ない...
と思うと同士に、この人は本当に絵に書いたような紳士だなぁなんて思ったりもして。
『なんで傘持ってきてたんですか?』
山「なんでだろ。朝、そんな気がしたからかな?」
お母さん。
予知能力がある人
見つけましたよ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。