きょーちゃんは 、学校に全く姿を見せなかった 。
私のせいなのかも分からないまま 。
大丈夫 ?
西畑 、くん ... 。
俺さ 、2人がどういう関係なんか知らへんけど ... 、
あなた の自由やと思うねんけど 、
学校の帰り道 、今日も1人歩いて帰る私に西畑くんが隣に並んだ 。
なに 、... ?
高橋は 、
... やめた方がええんちゃう ?
... っ んで 。
え ?
なん 、で ?
西畑くんの軽い言葉で 、私の足は長い根っこのように地面に張り付いて動けなかった 。
1歩先にいる西畑くんがこちらを振り向いてふっと笑った 。
そりゃそうやろ 。
誰が見たってガラ悪いし 、
不良やろ 、危ないって 。
そんなこと 、ない 。
高橋くんは ... 、
誰よりも優しいんだよ 。
え ? 何言ってんの 。
バカにしたように笑う西畑くんにムカついて 、イラついて 、私は滲みそうな涙をこらえるようにして手をぎゅっと握った 。
西畑くん ... 、
もう話しかけないで 。
... は 、え 、ちょっ ... !!
掴まれた腕を振り払って足に任せたまま走った 。
... なんで 、ここなの ... っ 。
きょーちゃんの家に 、足が向かっていた 。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!