〝 好き 〟 という感情が分からなかった 。
大吾くんといると 、ドキドキする 。
でも 、それは恋とは違う 。
普段されない女の子扱いに 、あの綺麗な顔に緊張してるだけな気がする 。
高橋くん 、
___ きょーちゃん は 、私の … 、
ふふっ と笑って道枝くんは歩き出してしまった 。
私なら分かる ... ?
高橋くんが 、きょーちゃん が ... 。
とぼとぼと歩いて 、何となくで来たこの場所は 、きょーちゃんとよく来た公園 。
泣き虫だった私をいつもここで慰めてくれていた 。
2人が辛い時もここにいたから ... __ 。
黒いパーカーを深く被って 、遊具の影に隠れていた 。
昔 、私達がまだバイバイしたくなくてお母さんに見つからないよう隠れてたこの場所に 、きょーちゃんはいた 。
すっと 、立ったきょーちゃんは 、私の横を足速に通り過ぎていく 。
なのに 、私にはゆっくりきょーちゃんの足が向かってくるように見えて 、1歩が重く感じた 。
勢いよく 、大きな声できょーちゃんを呼ぶ 。
止まってくれないきょーちゃんの足を必死に追いかけた 。
きょーちゃんの拳が 、強く握られていくのがわかった 。
背後からは見えないきょーちゃんの表情は何を思い浮かべているのだろう 。
あの頃は 、お互いの事をなんでも分かってた 。
なのに 、なのに ... __
今の私には ... 、
___ きょーちゃんが分からない 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。