クラスは3組。
さっきも言ったように、クラスなど関係なく………はないが、
早く暖かい場所に行きたい。
他の生徒も皆同じ思いなのか
靴箱周辺で混んでいる様子はなかった。
わりと、すんなり教室に行けた。
それは、3人が同じクラスだったからかもしれない。
クラスに行くと、
黒板に紙が貼ってあって、
既に来ていた人達は
カイロを手に持って温まっている子がいたり、
もう友達が出来ていたり
出身校の話をしていたり
様々で、漸くして私達は教室内に足を踏み入れる。
誰からの目線は無いと思ってたが、
ほぼ皆こっちを見ていた。
そして“えっ、幼馴染みかなぁ??”
“友達同士で一緒のクラスって羨ましいなぁー”
“あの子かっこいい!!” それは流星のこと。
“あの子可愛い!!” これはどっちの事だか。。
という声がちらほら耳に飛んでくる。
な訳ない。
涼まで…
私は、苦笑いしか出来なかった。
同情しとけば良かった。
黒板に貼ってある紙を見ると、
席が書いてあった。
そして、個々に自分の名前を探すと…
更科 あなた は窓側の左から2列目1番後ろだった。
そして
夏目 涼 は私の右側の列の前から3番目。
(ちなみに私は6番目)
吉田 流星 は廊下側の列で、前から4番目だった。
みんなバラバラ。
そして、私は前後左右の子の名前を確認する。
前は、櫻井翔くん。
後ろはいなくて、
左が、小島菜月ちゃん。
そして、右が、二宮和也くん。
覚えたかも分からないが、ちょっともう視線が痛いので、席に着くことにした。
すると、
まだ会ったばかりなのに、私なんかの名前を覚えてくれている…!!
多分向こうも同じだろう(笑)
「はい、みんな席につけー。」
と言うのはまだ名前も顔も知らない先生。
多分、担任の先生はこの先生じゃないだろう。
「これから、入学式がありますので、廊下に番号順で並んでください〜。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。