side 平野
壁に激突してうずくまるかぐに慌てて駆け寄る俺と廉
「大丈夫?」
廉「かぐ?大丈夫か?」
顔を覗き込むとおでこを押え、
じわっと目尻に涙を溜めるかぐ。
おい待て。
こんな時に言うのもアレだけど
可愛すぎだろ。
そんなことを呑気に考えていると
廉「あーはいはい。紫耀、ちょっと退いて」
廉が間に割り込んで、
かぐの前にしゃがんだ。
どうするのかと見ていると…
廉「大丈夫か?かぐ」
『っ…いっ、たい』
廉「おん、痛いなぁ」
『……っ、れぇ、んっ』
廉「あーほらほら
大丈夫やからな?おいで?かぐ」
腕を広げる廉に抱き着くかぐ。
そのままかぐの頭を撫でる廉。
ちょっと待て。
俺だってかぐと関ジュの時からずっと一緒にいたけど
こんなの見たことないよ!?
だけど…
「こんな時に言うのもあれなんだけどさぁ
…可愛すぎじゃね?」
廉「やろ?いっつもこんな感じやで?
てか紫耀しらんの?」
その廉の言い方にはむかついたけど()
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。