第19話

ココロ屋の主人です。
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2020/09/07 08:41
『「いらっしゃい。」
ドアの向こうから男の人の声が聞こえてきて、
ぼくはびっくりした。
ただのうすっぺらいドアじゃなくて、ドアのおくは、
どこかの部屋につながっているみたいなのだ。
「どうぞ、なかへ。」
どうなっているのか知りたくて、
ぼくはなかに入ることにした。』
『ドアのおくは、
ランプでてらされた赤っぽい光の部屋だった。
あまり広くはないが、お店のようだ。
木のたなに、からの広口ビンがずらりとならび、
その口から糸でつないだふうせんのようなものが
うかんでいる。
カウンターの後ろに、お店の人がいた。
「こ、こんにちは……。」
「こんにちは。わたしは、ウツロイ博士。
『ココロ屋』の主人です。」』
榊鷹志
ん、
トントン、と肩をたたかれて振り返ってみると、
お盆に湯気ののぼるマグカップを乗せた、
店員さんだった。
南夏目
こちら、ホットミルクになります。
榊鷹志
いい匂い…
南夏目
では、ごゆっくり。
榊鷹志
うん!
ふーふー…と息を吹きかけてから一口飲む。
なんだか甘くて、だんだん眠くなる味。
榊鷹志
ん、ふぁ〜……
眠い目を擦って、ぼくはまた本を読み始めた。

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