「…なんで、?」
『暗くなるからやめておこう!もう眠気覚めたし出掛けよ!』
「〇〇」
『じゃあさ…家出る前にほら、写真撮ろう!』
僕は笑えてたかな。〇〇との初のツーショットなんだから。
『もーさー、作り笑いバレバレじゃーん!』
冗談交じりに怒ってきた〇〇に、その写真送ってよって頼んだらどうしよっかな〜なんて言いながら送ってくれた。
『ストーリーにあーげよ!』
「……〇〇、今空元気じゃない?」
『え…?そんなこと!』
「出掛けるのやめようか」
『やだやだやだ!!ほら行くよ!』
無理やり僕の手を掴んで外へ歩いて行く〇〇はやっぱりどこか元気がなかった。
『本当になんでもないから早く行こう?』
「…そう?じゃあいいよ、行こっか」
ここは大人しく折れることにした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。