『…初めてサボる……』
「え、初めてなの?こんな楽しいことないのに〜」
テヒョンの自転車の荷台に乗りながら会話する。
なんか、幸せかも。
『わっ、』
「もっとちゃんと捕まらないと落ちるよ」
『うん』
私は腕をテヒョンの腰に回す。
「ひゃぁっ!!?」
『どんな声出してんのㅎㅎ』
「だって、、」
テヒョンの背中は暖かかった。
『このまま寝れる』
「寝るなーー」
『……やばい、ほんとに眠くなってきた』
「は!?ちょっ、、」
『眠い』
「じゃあ、一旦うち来る?寝られて事故りたくない」
『寝る』
「あと2分間、我慢して」
『ういーーー』
とは言ったものの、やっぱり睡魔がやばくって思いっきりテヒョンの腰に抱きつく。
「わっ!!」
『寝そう』
「色々とやばいから寝ないで!!」
『無理かも』
「もう着くから!!!!!」
『う…んっ』
「着いたっ、降りて」
『ん』
「目瞑ったまま歩くなよ」
『おんぶ』
「は!?」
『早く』
『あー……乗って!』
『んぅ……テヒョン優男〜』
テヒョンの背中は不思議なほどに安心できて、すぐ寝てしまった。
「はぁ…自分のこと好きな男の家上がるとか、どんな神経してんの……」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。