第6話

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2019/05/12 10:20
貴女side


バンッ…、キュッキュッ




「……うわ、…あのサーブ痛そう……」


今いるのは、第2体育館。

そう、…トモちゃんに誘われたからバレー部の見学をしている最中。


及「皆ー、及川さんのサーブ打ちたい人は居るかなー?」


花「またやってんぞあれ笑」

松「あいつ懲りねーなー笑」


及川先輩の一言でシーン…と、なる体育館。

それを見ていたほかの先輩は呆れている。



確か、先輩のサーブは結構キツかったような…




智「先輩、国見がそれやりたいそうです笑」


国「…タヒぬ……、」


及「えぇ!?あの国見ちゃんが?」









あ、…国見だ……




トモちゃんの一言で国見が及川さんのサーブを受けることになったらしい。


いつもは何もやる気ないって言う雰囲気出してんのに、今回はするんだなー。


なんて、心ん中で思ってしまう。


ふと国見を見れば、及川先輩を睨んでる姿が見えた。



及「国見ちゃん!?なんで睨んでるかわかんないけど
それやめてくれる!?」


国「…………」


及「なんで無言!?」




嗚呼、国見ってあんなに顔に出るんだな。

今日それしれた。



国見と及川先輩の会話の内容を聞いて思わずクスッと笑ってしまう。


「ふっ‪w‪w……」


目が合った。


笑っていたら、国見とバッチリ。





国見「…!…」



2、3秒目を合わせたと思ったら顔をフイッと逸らしてきた。








「……?…、」




なんで目をそらされたかわからないけど、悪いことしちゃったのは確か。



及「……あ!あなたちゃんだ!」



国見のことを考えるも、何が悪かったか分からなかった。


及川先輩の声で我に変えれば、慌てて手を振る。



「…あ、…及川先輩!」



及「下に降りてきなよー!」



「はい!」








2階(?)に居た私に手を振り返すと、手招きをしてきた。


降りてきなよー、って言われたからには降りるしかない。

先輩の言っていた通り、降りれば階段の下にはトモちゃんが居た。





智「なにしてんの、あなた!早く早く!
こっちだよ!」




手を引っ張って何処に連れていくのかと思いきゃ、



「きゅ、…休憩終了です!」


及「はーい!」




ゾロゾロと皆の背中を見送っている最中に

トモちゃんが口を開く。



智「ありがと、あなた

今日大変だったから、助かるよ。」



頬を掻きながら照れくさそうにトモちゃんは私を見て言う。

ありがとう、と言って頭も撫でてくる。







役に立ててよかった…




そんな安心感を覚えてしまった。














安心感だったのかは分からないけど、多分安心したんだと思う。



大親友のために安心できてよかった、なんて。






智「…あなたさ、…ちょっと聞いて欲しいことあるんだよね」



「ん?…何?」




智「……及川先輩にさ……………」



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