まだ空は暗いのに鳥の声がふと耳に入った。
「ん、……朝…??」
重い体を起こすと、隣には綺麗で整った顔が………(及川)
まぁ、其れは徹なんだけど(
結局2人で雑談しながら寝た…多分。
及「んー…あなた……ねぇあなた?」
「…っえ、何?」
何回も名前を連呼されたもんだから吃驚して見た。
徹は勿論なんも用事はない。(
「あ、徹、今日何かあるの?……」
「バイトとか…」と付け足せば わしゃわしゃと強引に撫でてきた。
及「……なんにもない……からさ、……デートしよーよ」
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「……ここどこ」
ぽつんと急に子共が都会に出されたみたいな……
そう、今は道に迷っていた。
てか、徹とはぐれた…誰か助けて………
「えー、なにあの子…」
「迷子?」
そんな言葉が飛び交うここは東京。
折角新幹線で朝イチに来たのにね、はぐれたの………
事の始まりは数時間前………
及「やっと着いた!!…遠かったねー 」
「うん、…ねぇ、徹」
及「なに?」
「デートって言ったよね…」
及「?デートだけど…? 」
「これは旅行って言うんだよ? 」
受験生はこんな暇ないんだよ………
徹に着いてきた私も悪いんだけど……
及「……あ、今後悔してるでしょ?」
「うん、物凄く」
及「wwまーいいじゃん!
何時も勉強してるからさー、息抜き息抜き!」
「え、そっかー」
もういいや、考えるのやめよ(
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!