第25話

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2018/06/20 01:10
碧葉の話を最後まで聞いた私は、碧葉も乙女なんだな、と感じた。
桧山碧葉
私なんかがこんなのだなんて変だよね。元々こんなキャラだし。
梨乃花
全然!碧葉も乙女だな~、って思った!私なんかもう恋しないから、絶対乙女になれないけど(笑)
桧山碧葉
梨乃花も乙女でしょ、私より
梨乃花
そんなことないよ
桧山碧葉
でもさ、高宮って多分好きな人いるよね
梨乃花
え、そうなの?
桧山碧葉
ありゃ、これは鈍感姫だわ
どういうこと?
桧山碧葉
これは勘だけど、高宮さ、梨乃花のこと好きだと思うよ
え・・・?
梨乃花
いやいや、それはないって!
桧山碧葉
でもね、あいつさ、梨乃花といる時、他の奴らに見せない顔してたりするから。梨乃花は気づいてないと思うけど(笑)
それだけ、碧葉は高宮くんのことを見ているんだ。本当に、高宮くんのことが好きなんだ。
桧山碧葉
まあ私、最初から諦めてるからね。絶対私の方には向いてくれないと思ってた。
そう言って、笑う碧葉の顔が、少し寂しそうに感じた。
梨乃花
碧葉・・・
桧山碧葉
大丈夫、平気
そんなわけない。今の碧葉は絶対無理してる。
梨乃花
無理しなくていいんだよ
私がそう言うと、碧葉の顔が笑顔から、泣き顔へと変わっていった。
桧山碧葉
・・・っ、なんでよりによって梨乃花なの?・・・なんでこんなにいい子なの?・・・敵うわけないじゃん・・・
碧葉が泣いている間、私はずっと碧葉の頭を撫でていた。高宮くんの好きな人が私だと決まったわけではないけど、もし本当に私を好きなんだったら、碧葉のことが気の毒で仕方なかった。

桧山碧葉
ありがとう梨乃花、もう大丈夫
そう言った碧葉の顔は、晴れ晴れとしていた。本当に振り切ったみたいだ。
桧山碧葉
まあ諦めないけどね、梨乃花が高宮のことを好きにならないかぎりは。
梨乃花
うん、頑張って!
桧山碧葉
ありがとう!
碧葉は、無邪気に微笑んだ。

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