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第4話

会いたかった
田崎 丸
田崎 丸
あの日、桜に気を取られてたら、
俺、大学の中で迷子になってて
丸くんと初めて会ったのは、
彼の入学式の日だ。

懐かしく思いながら、
私は顔を綻ばせる。
星野 美羽
星野 美羽
広いからね、うちの大学。
私も、いまだに行けるか怪しい
場所があるよ
田崎 丸
田崎 丸
ですよね! 
あの日も入学式の会場が
わからなくて、すげぇ困りました
星野 美羽
星野 美羽
丸くんは桜に夢中になって、
大学の中で迷子になっちゃってた
んだよね
つい、ふふっと笑うと丸くんは
私の顔をじっと見つめて目を細める。
田崎 丸
田崎 丸
うっす。だから入学式諦めて、
写真撮ってたんすよね
丸くんは照れくさそうに後頭部に
手を当てた。
田崎 丸
田崎 丸
そんな俺に、
先輩が声をかけてくれた
星野 美羽
星野 美羽
うん。あの日、
新入生の誘導係をするはずだったん
だけど、私もお腹が痛くて
入学式に遅れちゃってたんだよね
田崎 丸
田崎 丸
あんときの先輩、
すげえ顔色悪かったっす
星野 美羽
星野 美羽
ふふっ、すごく痛かったからね
話しているうちに出口に着いた。

校舎を出た私たちは、校門に向かって歩き出す。
星野 美羽
星野 美羽
それでも急いで学校に来たのに、
呑気に写真を撮ってる丸くんを
見つけちゃって
田崎 丸
田崎 丸
うっ
気まずそうにうめく丸くんに、
私はくすっと笑ってしまう。
星野 美羽
星野 美羽
話を聞いたらまさかの新入生で、
驚いちゃった
田崎 丸
田崎 丸
先輩、体調悪いのに
『一生に一度の入学式なのに!』って、
俺の腕引っ張ってきたんすよね
星野 美羽
星野 美羽
せっかくの晴れ舞台だもん
田崎 丸
田崎 丸
体調だって悪かったはずなのに、
俺を講堂まで連れてって
くれたこと、忘れてないっす
星野 美羽
星野 美羽
そんな、大したことしてないよ
田崎 丸
田崎 丸
なに言ってるんすか!
すげえ嬉しかったんすよ
星野 美羽
星野 美羽
丸くん……
田崎 丸
田崎 丸
先輩は俺にとって、
綺麗すぎて手ぇ出せない
存在っつーか
校門に到着すると、
私たちは向き合うように立つ。

丸くんの顔は心なしか赤い。

(丸くん……?)
星野 美羽
星野 美羽
もしかして、体調悪い?
私は心配になって、
丸くんの額に手を当てる。
田崎 丸
田崎 丸
……!
すると、丸くんは声にならない悲鳴をあげて、
後ろに飛び退いた。
星野 美羽
星野 美羽
ご、ごめんね?
驚かせるつもりじゃ……
そう言いかけたとき、
目の前に真っ黒なベンツが止まる。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
すまない、美羽さん。
待たせてしまったかな
星野 美羽
星野 美羽
あ……染谷さん!
車から降りてきたのは、
びしっとしたスーツに身を包んだ染谷さんだった。

周囲にいた生徒たちがざわつき始める。
女子学生1
女子学生1
あの人、手足長ーい!
モデルみたいっ
男子学生1
男子学生1
星野さんの彼氏かな?
さすが、美女には美男の彼氏が
いるんだなー
男子学生2
男子学生2
くそーっ、俺たちの花がー!
でも、あの人いかにもできる男
って感じだし、勝ち目ねぇよなあ
学生たちの視線を集めながらも、
染谷さんはさほど気にした様子も
なく私の前にやってくる。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
会いたかった
星野 美羽
星野 美羽
えっ、そ、その……
(嬉しい。だけど……)

素直にそう伝えるのが恥ずかしかった私は、俯く。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
昨日、出会ったことが夢だったら
どうしようって不安だったんだ。
いい歳なのに情けないと思う?
星野 美羽
星野 美羽
そんなことないです!
勢いよく顔を上げて首を横に振れば、
染谷さんは目を見張る。
星野 美羽
星野 美羽
そのっ、私も──
会えて嬉しかった……です
染谷 愛仁
染谷 愛仁
そっか、俺も嬉しいよ。
大急ぎで仕事を終わらせてきた
甲斐があった