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第8話

キスの予感!?
こうして、ふたりでホラー映画を見ることに
なったのだけれど、私が驚くたびに……。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
大丈夫だよ
染谷さんが頭を撫でてくれる。

自分以外の体温に、
心臓が恐怖とは違う種類の感情に騒ぎ出す。
星野 美羽
星野 美羽
あ、ありがとうございます
染谷 愛仁
染谷 愛仁
どういたしまして
そうして映画を見ているうちに、
染谷さんの温もりもあってか、
眠気が襲ってきた。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
あのピエロ、
悲しい過去があったんだな
(染谷さんが話しかけてくれてる。
だけど……)

眠くて瞼を閉じてしまう。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
ただのホラー映画じゃない
ところが、面白……美羽さん?
真っ暗な視界の中で、
染谷さんの声が聞こえる。
星野 美羽
星野 美羽
ん……
返事をしたくてもできない私の頭を、
誰かの手が撫でる。

(きっと、染谷さんだ……)
染谷 愛仁
染谷 愛仁
おやすみ、美羽さん。
今日は俺のわがままに付き合って
くれて、ありがとう
(違う……。
こちらこそ、子供の私に付き合ってくれて、
ありがとうございます)

その気持ちを伝える前に、
私は意識を手放してしまった。

***

翌日、目が覚めると──。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
おはよう
スーツの上から赤チェックのエプロンを
つけた染谷さんが、
腰を屈めて私の顔を覗き込んでいた。
星野 美羽
星野 美羽
お、おはよう……ございます
(そ、染谷さんが私のエプロンをつけてる!)

それに胸キュンしていると、
染谷さんが申し訳なさそうに眉尻を下げる。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
勝手に台所を使ってごめん。
一応、朝食を作ってみたん
だけど……
歯切れの悪い言い方に引っかかりつつも、
私はテーブルに視線を移した。

そこにあったのは、炭の塊。
星野 美羽
星野 美羽
こ、これは……
(この惨状は一体!?)

絶句していると、
その場に染谷さんがしゃがみ込む。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
料理なんて滅多にしないから、
うまくいかなくてね
星野 美羽
星野 美羽
苦手なのに、
作ってくれたんですか?
(私のために?)
染谷 愛仁
染谷 愛仁
ああ。
食材を無駄にしてしまったけどね
星野 美羽
星野 美羽
そんなこと、いいんです!
染谷さんが私のために頑張って
くれたことが、本当に嬉しいです
喜びがあふれて、
ふふっと笑うと染谷さんが
私の顔をじっと見つめた。
星野 美羽
星野 美羽
染谷さん? 
どうかしましたか?
染谷 愛仁
染谷 愛仁
ああ、いや……。
今の美羽さんの笑顔に、
なんか癒されてしまって……
星野 美羽
星野 美羽
ええっ
染谷 愛仁
染谷 愛仁
なんていうか、
明確な理由なんてないんだ
(え……なんの話?)
染谷 愛仁
染谷 愛仁
ただ、美羽さんといると
癒される。だから俺には、
きみしかいないって、そう思ったんだ。
直感もバカにできないな
染谷さんの手が私の頬をするりと撫でる。
星野 美羽
星野 美羽
染谷さん……
染谷さんと見つめ合っていると、
世界の音が遠ざかる。
染谷 愛仁
染谷 愛仁
美羽さん……
切なさが滲んだ声。

染谷さんは私の顎に手をかけて、
顔を近づけてくる。

(私、このまま染谷さんとキス、
しちゃうのかな……)

鼓動が大きくなり、
そっと目を閉じようとした。

そのとき──。