テヒョンくんと別れて、
すぐにホテルに帰り、そのままベッドに入っては眠った。
テヒョンくんから連絡が来ていたなんて知らずに。
朝早く目覚めては、この韓国にいるのは今日で最後になる。
帰る時刻は遅めにしたけれど、
もう、帰りたくて、早めの時刻に帰ることにする。
スマホはあのまま、見ることもせずに、放置してある。
先に会社に足を運んでは、
お礼を言っては会社を後にした。
会社を出てから、スマホはずっと鳴っている。
鳴り響くスマホを握りしめて、
仕方なく電話に出ることに。
テヒョンくんは一方的に電話を切っては
私は切られたスマホを握りしめては
立ち尽くしてしまう。
不意にベンチを見つけては、
ベンチに座った。
しばらくして、
息を切らしながら帽子を深く被ったテヒョンくんがやって来た。
テヒョンくんは私の腰に触れては私を引き寄せては
ぎゅうと私を抱きしめた。
私はテヒョンくんにゆっくりと抱きしめ返しては、
テヒョンくんの胸に顔を埋めては、
テヒョンくんの温もり、匂い、
すべてを感じていた。
胸のドキドキは加速していく、
けど、それが私にとって嬉しくて落ち着く。
テヒョンくんは私からゆっくりと離れては、
私の頬にそっと触れては私を見つめた。
だんだんとテヒョンくんの顔が近づいてきて、
私はゆっくりと目をとじる。
テヒョンくんはそっと優しい口づけをくれた。
そんな口づけがあまくて、優しくて、
また私の胸を熱くさせた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!