部屋に入って寝転がって、目を瞑っても、
さっきの光景が頭から離れない。
テヒョンくんのすべてがまだ頭の中に残っていて、
離れない。
次の日になって、やっぱり、全然眠れずにいた。
私はバタバタしながら、準備をしては、
すぐさまに部屋を出た。
走って、仕事場に向かい、
外で先輩らしき人が待っていた。
いくよ〜と言いながら、私は先輩についていく。
ついた先はおっきなドームらしき建物。
看板はBTSとでかでかと書いてあり、
私はあまりの驚きに後ずさりしてしまう。
先輩《グッズとか買う?あなたさん、バンタン好きなんだよね?》
先輩《うん、じゃあチケット渡すわね。
じゃあ席に先に行くから、》
先輩に頭を下げて、
グッズを並ぶ人たちを見て、ワクワクする自分がいた。
少し歩けば、スマホのバイブが鳴り、
私はスマホを見た、電話みたいで、
番号は知らない人、
私は恐る恐るでることに、
?《あなた?》
?《忘れたなんて、言わないで、》
電話は昨日の出来事のテヒョンくんからだった。
テヒョンくんは用件を言って、電話を切った。
テヒョンくんは私の話をおかしく笑っていたけど、
なにがおもしろいのか、不思議で仕方なかった。
私はそんなことより、急いでグッズを買うのに並ぶ。
並ぶのに、1時間はかかったぐらい待った気がして、
疲れた自分がいる。
推しのうちわを持ち、
いよいよ会場に入ることに。
会場に入ったとき、胸のドキドキがうるさいほど聞こえてる。
席を一生懸命に探しては、
先輩を見つけて、先輩の隣に座る。
席は意外と近くて、また一層、胸が高鳴った。
先輩《わぁ〜、あなたさん、うちわ買ったのね、
その人が好きなの?》
先輩《あはは、わかった、見てみるね》
私は推しこと、ジョングクのうちわを持ち、
ワクワクしながら始まるのを待っていた。
しばらくしては、急に暗くなり、
音楽が流れては、バンタンのみんなが出てきては、
私は初めて推しを見てはもうボロ泣き。
あぁー、やっぱり、推しはステキっとフッと笑ってしまう。
終盤になり、先輩がポンッと肩を叩く、
先輩《なんか、あの人、あなたさんのことすんごく見てる気がするよ?》
先輩《えっ?、あっ、なんでもないわ、
楽しんで、》
私はジョングクに夢中で、先輩の話が全く入ってこなくて、
もう今の私にはジョングクしか見えていなかった。
アンコールも終わり、みんなが手を振って帰っていく。
帰らないでと、心が叫ぶ。
そんなこともいかなくて、
ライブはすぐに終わってしまう。
先輩と会場を出て、
先輩が言った。
先輩《どうする?ご飯でも、》
先輩《わかったわ。大丈夫、
じゃあ、また明日ね?おつかれ》
先輩とお別れをして、
私はテヒョンくんに言われていた裏口に足を運んだ。
裏口には誰か人が立っていた。
私はお辞儀をする。
《はい、Vさんから伺っていますよ、
どうぞ、中へ、》
《はい、そうです、どうぞ、》
私は中に手招きされながら、入っていき、
その人は鍵をかけては、奥へと進む。
私は怖怖しながらその人についていく。
《Vさんは、こちらの部屋にいます、
どうぞ、》
私はお辞儀をして、頭をあげて、
何にもなかったかのようにフッと振り向いたとき、
ゴツンと誰かにぶつかってしまう。
私はやばっと思いぎゅっと目を瞑り、
私のおでこはぷにと硬くて柔らかいものに当たっていた。
その当たっているものに一瞬だけ、
触れては、すーっといい匂いに身体が包み込まれていた。
私はゆっくりと目を開けたとき、
私の目の前は誰かわからない男の人の胸板、
私は慌てて、その人から離れては、
深々と頭を下げる。
なんにも返ってこない返答に私は恐る恐る頭を上げた。
?《あっ?ふっ、なに?あれ?きみ、会場にいたよね?知ってる。だって、何度も目が合ったから》
?《ふ、かわいい、、僕が好きなの?
うちわ握りしめて、かわいい〜、おいで〜》
そう、私が胸板に当たった人は、
私の推し、ジョングクだった。
ジョングクを目の前にして、パニックになってるのに、
いま、私は抱きしめられて、
余計にパニックになっていた。
ジョングクの言葉の“彼女”に頭の中がグラーッとしたように、
目をパチパチさせて、思考停止状態になってしまう。
“彼女”。テヒョンくんには彼女がいて、
昨日の出来事は、何だったんだろ、と、
頭が追いつかなくなる。
ジョングクは私をきつく抱きしめながら、
フッとわけがわからないことを言いだす。
持って帰る?
恋愛経験がほぼない私には、わからなかった。
ジョングクは私からゆっくりと離れては、
私の頬に触れ、じっと私を見つめた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。