1人で帰るなんて久しぶり。
いつもサイバっちかしんちゃんと
帰ってたから。
たまには寄り道でも…するか。
珍しく近くの商店街を通った。
やっぱり変わんない。
あ!あなたちゃん!
そこには、しんちゃんママが。
いやいや!いいのよー!
そんなの!
あの子ももう高校生なんやから!
おばちゃんちょっと暇でね。
あなたちゃんは学校帰り?
あら!そーなのね!
朝言ってたわー。
しんちゃんのママって
すごいかわいい。
しんちゃんもかっこいいからだよね?笑
あなたちゃん今お暇?
良かったら、何か買ってあげる!
進級祝いね!
しんちゃんママと私は
雑貨屋さんへ入った。
私が手に取ったのは、かわいいハートのイヤリング。
あらー!それあなたちゃんに
すごく似合ってる!
こーゆーの付けたことないから…
なんか恥ずかしいなぁ笑
それ買ってあげるっ
うん!あなたちゃんに
すごく似合うと思うの!
はい。
また今度、会うときに付けてきてねっ!
楽しみだわーっ
いえいえっ!
あ、私、買い物し忘れたものあったわ。
じゃあまたね!
ママによろしくって言っといてねー!
しんちゃんママはスーパーの方へ歩いてった。
しんちゃんママ
かわいいなぁ。
いつ見てもモデルさんみたい。
このイヤリング…遊ぶ時付けたいなぁ。
私は鞄にそっとしまった。
さて。帰るか。
こっから家はまぁまぁの距離はあるけど、運動がてらにいいよね。
2人とも…いいなぁ。
高校生活充実してそう。
私なんて…きっとずっと勉強して。
バイトなんだろーな。
なんか…離れた気分。
3人ずっと一緒だったのに。
…。やだなぁ。
さっきから後ろからつけられてる?
私は後ろを振り向く。
でも、誰もいない。
いや。でも、絶対誰かにつけられてる。
結構前からなんだよね。
3人で帰る時もそうだ。
私は歩くスピードを早くした。
やっぱり。誰がつけてきてる。
ストーカーだ。
もうすぐ…家。
早く着け!!!
マンションのエントランスへ駆け込んだ。
よかった…
どうしよう…
いつか私襲われちゃうのかな…
これから
1人で帰るの…
なんか怖いな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!