普段は何もない河川敷に一つのお店ができていた。
白髪で妖艶、まさに魔女みたいな人が怪しすぎるお店の中にはいた。
『操り人消しゴム』
『爆発チョコレート』
『鬧鐘肯定會喚醒您』
中国っぽい漢字で何か書いてある。
冗談のつもりだった。
ーーーーーーーーーー魔女の商売ーーーーーーーー
マジでやばい。
明日、算数のテストがあるのだが、その範囲の勉強が理解できない。
わかるものもあるのだが、テストとなると頭が真っ白になり、結局意味不明な回答になる。
そんな悩みを抱えていた、その時だった。
『魔女の御店』
直感的に思った。
『詐欺だ。』
言いながらも、僕は興味心を止められなかった。
スタスタスタ…
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至って普通の鉛筆に見える。
単刀直入に言う。
魔女みたいなおばさんはその鉛筆を持った。
僕がプリントを出すと魔女は鉛筆に何かを言った。
スラスラスラスラ…
僕は驚いた。
勝手に鉛筆が動いているから。
僕はそのプリントの答えを確かめてみた。
僕は漢字ドリルを出した。
またまた空欄が埋まってゆく。
本物…かもしれない。
どうする?
買ってみるか?
明日のテストが百点だったら小遣い、アップするかもしれないな
千円だと言ったら二ヶ月分の小遣いだ。
手元には1500円ある。
僕は魔女にお金を渡した。
『カイペン』を渡される。
僕はランドセルから理科ドリルを出して適当なページを開いた。
…
ドリルに鉛筆をつけても何も起こらない。
そう言って魔女みたいなおばさんとお店は、千円札を取り込んだまま、
ボン!
と、消えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。