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第1話

僕は人見知り。
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2020/05/20 15:25
…。
空を見る。

灰色の雲が空を覆っている。
……。
周りを見る。

数人のグループで騒いでいる。
………。
本を読む。

二週間ほど前から同じのを読む。

『バリーボッター 不死の秘宝』。

ーーーーーーーーー僕は人見知り。ーーーーーーーー
友達
あっちい〜
無言で自転車を漕ぐ。

会話は10分前から終わっている。
友達
いや、熱中症なるわ
小学校からの友達が喋ってくれているが、僕は特に何も言わない。
友達
あ、そーいえば総合って何か…
も、あー!軍手!軍手持ってこないといけないんだった!
友達
チッ!
うわ、忘れたわ…
お前は?



忘れていた。


ナイ。
友達
はいお疲れぇ!
俺多分、親が持ってきてくれるはずだかんな!



うざ。


友達
あっちい〜
さっきから何回『あっちい〜』て言うんだ。



と心の中でツッコもうとすると校門の前についていた。
友達
あー、マジ暑いー
友達は二組へ、僕は三組に行く。
いつも通り荷物を片付けて席に座る。
はぁー。
いつも通り『バリーボッター』シリーズを読む。



静かに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先生
で、あるからして〜
僕は斜め右の席をチラッとみる。
彼女は、ノートをテキパキと書いている。



可愛い。



…はぁ……。
ため息を吐く。

恐らくこれが恋と言うんだろうが…。
はぁ…。
ぁー…。



!!!!!



目が合った。

え?え?

目が、合った。会った?!

僕は彼女を見、彼女は僕を…!?
ブッ!
ゴフンッ!ウフゴフッ!
先生
大丈夫か、島崎〜
…ぁ大丈夫です。
むせてしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昼休み。

クラスの他の人たちはグループを作って食べる。
もちろん僕は一人だ。
なぜ目が合い、むせたのか?



目が合うのは至って普通だ。

人間が目線をどこかにやっているのだから。

偶然と合うのが自然である。
彼女
でさー、その時岡島がね…
彼女は図書委員長であり、このクラスの委員長でもある。

陽キャで美人、友達も多い。





平たくいえば高嶺の花なのである。
彼女
そーそー、やばくない?
何がやばいのだろうか。
はぁ…。
僕は何度目かのため息を吐く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
朝、うるさくアラームをリピートしてくる時計の後ろのスイッチをオフにし、顔を洗い、うがいする。
昨日の夜、彼女が僕を好きになる可能性を妄想していたのだが、結果は皆無。
それでも…!
という気持ちも少しはあった。
あーあ、靴箱見たら、手紙が入ってることなんて無いかなー、無いよなー。そんなもんだろ。



自転車を漕ぐ。
友達
あっちい〜
今日も最高気温三十五度超えだからな。
しかし、最近地球は温暖…化、か、わいいな、彼女。僕と付き合っては


やばい。自分自身で自分自身をキモいと感じる。



結局、校門の前についた。
ふぅあーあぁ〜
昨日のせいかあくびがでた。
目を擦りながら靴を脱ぎ、上履きを…










パサッ




!!??
て、てが、
プリントでは無い、て、てがみ
手紙…て、がみ、てが、み。
手紙?
愛の手紙、手神!愛のLOVE Letter!



しかし、誰から…



!!


か、m@麟53×1^:=・2[〒ご…


か、彼女の名…!






急いで、中を開ける!
これは…神様!まさか!














一枚の紙。


【3年三組 島崎 健太
 『バリーボッター 不死の秘宝』ほか5冊。
 貸し出し期限を超えています。
 今すぐ、返却するか、続借手続をおこなって
 ください。

 図書委員会】
あっちい…

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