博士はある動物の思念を別の動物に入れるという研究をしていた。
ある日、実験は一気に進展した。
アリの思念をネズミに移す実験をしていたのだが、
ネズミがケースに入れた砂糖に反応するという明らかにアリの特徴を捉えている行動をしたのである。
これを機に、実験は哺乳類の思念を移す実験まで進んだ。
その革新的な技術を発展させるため、ついに人間に対する実験が行われることとなった。
秘密裏に行われることとなった実験には無期懲役の囚人が参加することとなった。
博士は囚人に入れる思念の対象として、記念に自分の飼っている犬の思念を入れることに決めた。
そして、実験の時。
思念を入れられた囚人は倒れ込んだ。
実験は失敗――。そう思われた時
異様な感動のシーンだった。囚人の姿をした飼い犬が飼い主の博士の元に駆け寄る……。
そして囚人が博士の首に手をかけた。
博士は息絶えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。