第4話

地獄
33
2020/06/02 14:14
ある病院にある病気で入院している男がいた。
はぁー、クソつまんねえな
男はテレビを見ていたが、本来テレビは見てはいけないと、看護師から念を押されていた。
男は何を言われても反対のことしかせず、
典型的な天邪鬼だった。
悪魔
こんにちはー
!!??
急に病室に現れたのは三角の形をしたツノとしっぽを持って何か槍を持っている。
誰がみても『悪魔』だった。
誰やお前。勝手に入ってきやがって、何か用かよ!
男は驚きを隠すために強い口調で言った。
悪魔
あー、迎えに来ました。
お?俺死んでしまうんか?
悪魔
あぁ。そうですね。はい。
何か軽い口調で言われたので男はムカッとし、こう言った。
お前がそういうんなら俺は死なん!決して何をされようがあの世には行かぬわ!
悪魔
いや、別に今死んでってワケじゃないし。どうぞ〜
またまた男はムカッとして怒った口調で
あーもー!いいわ!
死んでやる!はよ連れてけ!
悪魔
あのー、天国に行くか地獄に行くか、いかがなさいます?
自由に選べるんか!
男は少し驚いた。
悪魔
はい。めちゃくちゃ極悪人でなければ天国行けますし
ふーん…
悪魔
ま、天国ですよね〜。地獄なんて選ぶ人はそうそういないし。
男は天邪鬼なせいでこう言う。
あー地獄。地獄や!はよ連れてけー!
悪魔
え?じゃ、行きましょーか
待て待て待て待て!
こうも素直に地獄に行ったのではこれまでの天邪鬼の功績が崩れてしまう、そう考えて
お前!何百年くらい生きとるお前でも、とびっきりの地獄に連れてけ!
悪魔は、少し考え
悪魔
じゃあ目をつぶってください。
と、言おうとしたが、
じゃあ目を開けっぱなしにしててください
と言った。
当然、男は目をつぶった。







そして、
悪魔
目を閉めっぱなしにしてください
男は目を開ける。
…?
なんや、変わらんやないかい
男は未だに病室にいた。
悪魔
…ここが我々でも地獄中の地獄と思うところですよ。
あなたみたいに天邪鬼でめんどくさい方もいれば、パワハラ、セクハラ、いじめ、DV、虐待…。
人間が一番なんだかんだで鬼ですよ。
その点、地獄の鬼たちはどうです?
素直で無駄なことはせず、仲間同士で傷つけ合うなんてありゃしない!


やっぱり、ここが、地獄です。

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