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第2話

第1話 〜鬼の牙〜
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2020/03/23 17:39
花火のような音がし、周りは火の海。断末魔が当たりをより恐怖にする。

私の友達は…どこ?
今は戦争中だ。戦争は命も絆も愛も心も身体も何もかもを全て奪い去っていく。私は戦争は怖いものだがそれほど気に止めていなかった。だがやっとわかった。戦争は真剣に考えなきゃ行けないものなんだと。

走馬灯がそれを見せる。

もう私は死ぬ。友達もどうなるか分からない。3人で手を繋いでいたのがもうどこにいるのか分からなくなるほど炎に抱かれた。
どこなの?と叫ぶことも出来ず走馬灯という死ぬ瞬間無意味な頭の働きが死を確信させる。一酸化炭素で意識が薄れていく瞬間……

「…がとう。」

と声がした。あれがなにか分からないまま最後は一緒にと意識が薄れる瞬間まで2人の手を探し続けた。
ありがとう。ごめんなさい。よろしくね。
今までの感謝や悪かったことを今ここでいい、まだ一緒にいたいという願いが3人でいる場面を想像させ、自然によろしくねと声が出てしまう。

さようなら

もう死を確信した。
目が覚めた。生きていたようだ。だが見たことない景色にたっていた。すると横から声がした。

「あなたさん!あなたさん!良かった。生きてたんですね!良かったぁ(´TωT`)」

この声は?とみぎを見るとそこには信乃の姿があった。信乃は涙を零し泣きながら良かったと連呼している。私は何も言うことが出来ず、ただ涙を流していた。

猫塚信乃「あなたさん?どうしたんですか?」

不意に名前を呼ばれ咄嗟に我に返りすぐさま信乃に触れた。

寿あなた「信乃ぉ!生きてたんだね!良かった!もう死んでいるかと思った!私もみんなも!」

みんなも?その言葉に私は余計に涙を流し顔を青くした。

寿あなた「御魂は……?」

不安で張り裂けそうだったが心配する必要はなさそうだった。信乃は笑顔で私の顔の横らへんを指さした。私は咄嗟に振り返った。私は涙が止まらなかった。

3人が生きていたことに。

寿あなた「御魂ぁ!良かった!これで3人揃ったね!」
信乃・御魂「うん!あぁ!」

3人は涙を零し抱き合った。それぞれの感情が落ち着き我に返った時、寿は思った。

寿あなた「ここはどこだろう。私たちが住んでた街にはこんなところなかったし。そもそも山なかったよね。」
荒神御魂「確かに……とりあえず山を出よう。」
猫塚信乃「それもいいけどこの山がどれくらい広いのか分からない。朝になるまで待とう。」
寿あなた「そういう訳にもいかないよ。このまま待ってたら動物に襲われるかもしれない。」
荒神御魂「うーん。どうする?」

3人は考え込んでいた。すると横から声がした。

「おい!てめぇら!何やってんだ!」

3人は は? という反応で声がした方向を向いた。その人は刀を持っていて武士のようだった。これはタイムスリップしたのか?そう思った。

「ここは鬼が出るんだ!この山を出たところに俺の家がある!だから早く来い!!」

普通ならついて行っては行けないが、3人は早く出たかったのでついて行くことにした。

寿あなた「泊めてくれてありがとうございます。その、初対面で失礼だとは思いますが質問させていた抱いてもよろしいでしょうか?」

「なんだ?」

寿あなた「あなたはなぜ刀を持っているのですか?」

「まぁ知らねぇのも無理はねぇ。俺は鬼殺隊。鬼を斬るのが仕事だ。だからそのために刀を持っている。」

そう言った瞬間3人は顔を見合わせた。

寿あなた「鬼殺隊ってあの鬼が出るアニメのヤツだよね。」
猫塚信乃「鬼滅の刃ね。」
荒神御魂「あいつの言ってることは本当なのか?アニメの世界に入ったってことになるぞ?」
猫塚信乃「そうなると僕らは転生したわけだ。」
「おい。さっきからなんの話しをしてるんだ。転生ってなんだ。」
寿あなた「いえ、なんでもありません!」
猫塚信乃「本当に鬼滅の刃の世界だった場合僕らの正体がバレたらまずい。ここはこの世界観に合わせて、みんなを知らないフリしよう。」
荒神御魂「鬼滅の刃好きなのはわかった。」
寿あなた「口数多くなったからね‪w」
猫塚信乃「…っ。と、とにかくこの世界の服が無いと怪しまれる。」
荒神御魂「貰えるんじゃね?」
寿あなた「もう既になってるよ?」
荒神・信乃「あ、ほんとだ…」

寿たちが話している間。鬼殺隊と名乗る男はじっと外を見つめていた。

「声が聞こえる。叫び声か?鬼がいるかもしれん。お前らはそこで待ってろ!俺は森に向かう!」

そう言って男は飛び出していった。

寿あなた「鬼がいるのか。なんだか怖いね。」

寿は原作を読んだことがないため、この世界についてはあまり知らなかった。

猫塚信乃「鬼滅の刃の世界にはいったとなると呼吸使えるようになりたいよね。」
荒神御魂「確かに。なんかやってみれば?」
猫塚信乃「恥ずかしいよそれは。」
寿あなた「とにかく!ここでおじさんの帰りを待とう。」

そして一日がたった。だがあの男は帰ってこない。信乃と荒神は不安が過った。この世界の鬼は人をくう。つまり一日経っても帰ってこないということは鬼に食われた可能性が高いことになる。
寿あなた「帰ってこないね。遅いなぁ。」
猫塚信乃「そんなふうに言ってられないよ。この世界は一日経っても家に帰ってないってなると。」
荒神御魂「鬼に食われた可能性が高い。」

信乃と荒神は顔を青くした。

寿あなた「え!?食われたの?どういうこと?鬼が人間を食うの?」
猫塚信乃「うん。この世界ではね。」

3人は顔を青くし不安を貯めていた。

寿あなた「街に行こう。ここじゃ不安だよ。」
荒神御魂「それは賛成だ。泊まれるところがあればありがたいしな。」
猫塚信乃「そうだね。」

そして3人は街に向かった。そこはとても賑やかで楽しそうだった。
寿あなた「鬼のことはみんなは知ってるの?」
猫塚信乃「知らないと思う。」
荒神御魂「とりあえず泊まれるところを探そう。」
寿あなた「細道にいかない?」
猫塚信乃「ダメだよ!街には怖い人いっぱいいるんだからさ。」
荒神御魂「そうだぞ。大通で探そう。」

そう考えていると後ろから声が聞こえた。

「すみません?大丈夫ですか?」

声をした方に振り返るとそこには私たちと同じくらいの子が立っていた。

寿あなた「あ、はい。実は宿屋を探していて……」

「宿屋ですか。宿屋ならそっちにありますよ。着いてきてください。」

寿あなた「ありがとうございます。」

そして宿屋に着いた。

寿あなた「ありがとうございます。あの、お名前は……」

寿はさっきから喋らない2人の方を見る。信乃は照れていて、荒神はニヤけていた。
彼は一体。

「俺の名前は、竈門炭治郎です。」

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