両肩を引き寄せられて
誰かの顔が私の顔の横から出てくる。
私の背中がその人の胸に優しく埋まる
落ち着いてる
透き通ってる
そんな声で耳元で囁く。
それが私の胸を締め付ける。
分からない何かとまた分からない何かが繋がりあって
重なりあって
絡まりあって
私は先輩に落ちていくんだ。
絶対わからない場所に来たつもりだし、
みんなが隠れる場所には隠れてない。
なのに、
以上に耳がまっかっかだ。
いつも余裕の先輩じゃない。
ギャップがすごい。
チャニョル、って、
どうして、ッ
私は首をぶんぶんにふった。
なんでこんなこと聞くんだろう。
チャニョルのこと、
,
言っちゃった、
言っちゃった、
どうしよう、
ひかれた?
あー、もう、
絶対私顔がまっかっかだ。
どうしよう、
顔が熱い、
そう言って真っ直ぐに見つめられる。
next_
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!