第27話

叶わない恋をした-宮治-

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2021/01/31 12:01

振り向いてくれない。


どれだけ話しかけても、
どれだけアピールしても。





あの子は妖精のように




どこかへ自由に飛んでいってしまう。


ーーーーーー

『…上手やな』

侑「は？サム、急にどうしたんや、」

『いや…あの子…』

侑「あ！俺知っとるで！あの上手い子！」

『なんでツムが知ってんねん』

侑「1年の時同じクラスで仲良くしてくれた子やもん」

『…そうなんや』

侑「かわええし、稲荷崎女バレのエースやもんな」

『ほんますごいな…』

侑「ちゃんとわかってんで」

『なにがや急に』

侑「あの子のこと好きなんやろ？」

『いや、怖いわさすがに』

侑「なんや、図星か」

『話したこともあらへんのになんでそうなんねん』

侑「ほんなら今から話して来る以外にないな、」

『…ムリや』

侑「ほんまなんですぐ諦めてまうねん！」

『俺には無理なんや』

侑「そんないってみんとわからんやんか、」

結局侑に背中を押されて話しかけてみることに…


『憂鬱や…』










「あ！治くんや！」

『…っ？』

いきなり君に名前を呼ばれたあの日。



「ちょっと時間いい？」



俺は期待した。











『どうしたの…』

「こ、これ、侑くんに渡しておいてくれへんかな…」

『これ…』



君が差し出したんはチョコ。



バレンタインチョコだった。



「治くんにこんな事言うのも恥ずかしいけど、侑くんのことが好き…なんですっ、でも自分で渡す勇気なくて…」

『うん、ええよ、渡しといたる。きっとツム喜ぶで』

「ほんま？！ありがとう！」







初めて失恋した。


ツムに負けた気がした。

”じゃあね”と元気よく、また君はどこかに消えた。











叶わない恋だった。

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第28話無気力の悪魔-国見英-

月島ぽんず 🌱

コンテスト受賞作品

グランプリ

好きになるのはキミ限定【完結】

なぁな

編集部コメント

主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした！<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。