第4話

甘々彼氏とツンデレ彼女-及川徹-
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2020/12/19 08:13
『あ!あなた!』

「…ん?」

『そんな怖い目で睨みつけなくてもぉ』

「忙しいからちょっと待って」

『構ってよ暇なんだから』

「部活行ってきて」

『学校空いてない!』

「えぇ〜」

『俺のこと好きなんでしょ?』

「今関係ないじゃん」

『嫌だぁ!答えてくれなきゃ離れないから』

と言って徹は私を抱きしめて離してくれない。


いつもこんなのばっかり。

高校3年にもなってこんな甘々なの、どんな少女漫画でも見たことない。

「今度気が向いたらね」

『好きじゃないんだぁ…』


ブーブー

『あなたの携帯じゃないの?』

「え、あ、ごめんね」

『ムスッ))早く終わらせてきてよ〜』



まずいっ!と思って携帯を咄嗟に隠してしまった…。

徹にバレたかな…。

電話の相手は、



「もしもし、岩ちゃん?」

(おい、あなた、まだ来ねぇの?)

「それがさ、徹がいつも以上に甘々で…」

(しょうがねぇよ、せっかくのオフだし、)

「でも、どうしよう。もうすぐじゃん」

(うーん、わかった、俺がやっといてやるから)

「あ、じゃあこっち来る?」

(ま、今日部活OFFだし、しょうがなし!)

「岩ちゃんありがとう!待ってるね!」

(おう!まかせとけい!)





『ムスッ))』

電話を終えて部屋に戻ると分かりやすく拗ねた徹がいた。

「なに、」

『長いし、誰と話してたの?』

ここでバレる訳には…

「…内緒」

『俺に内緒はなしじゃないの?』

「たまにはいいでしょ。」

『やっぱり俺のこと好きじゃないんだ…』

「そんなこと言ってない」





ーそんな会話を続けて1時間半後ー


『ムスッ』

「そんな分かりやすく拗ねないで」

『あなたが悪いもん』

「…そう」

『…』


ピンポーン

「来たっ!」

『え、何が…?』

「今行く!」

「徹はここで待っててね!」

『えぇ〜気になるじゃん』

「いいから、」

『わ、わかったけど』














「岩ちゃん、岩ちゃんも一緒に入ってよ!」

(え、大丈夫?変な人連れ込んで)

「変な人じゃないでしょ、いいから早く!」

(まあ、あのクソ川が拗ねてるとこも見たいし)

「さーいてー」

(うっせ!行くぞ)





『あなた!…って』

「ん?どうしたの?」

『お前誰だぁぁぁぁ!あなたに何した!』

(なんもしてねぇし)

『なんでここにいるのさ!』

「私が呼んだ」

『ほぇ?』

(いつも以上にとぼけた顔しやがって)

(ほいこれ、持ってきてやったよ)

「あ!ありがとう!」

『ちょっと、ちょっと、理解が追いつかないんだけど』

「あぁーあの天才セッターも理解が追いつかないことがあるんだね〜」

『天才じゃないってー!それは飛雄ちゃんのことでしょ』

(クソ及川1回黙れ)

『…わ、わかったよ岩ちゃん』





「はい…徹、コレ」

『え、これどうしたの…?』

「前欲しがってたから、」

『いや、高いじゃん!そんなお金どっから…?』

「バイトして貯めたの」

『あなたが、、、バイト…』

「え?」

『お前成長したなぁ((ヨシヨシ』

「ちょっとやめてよ気持ち悪い、私だってバイトくらいできますーだ!」

(腹立つけどお幸せにな)

『岩ちゃんが取ってきてくれたんだね』

「だって徹が離してくれなかったから」

『…じゃあさっきの電話の相手は岩ちゃん?』

「ま、まぁ」

『他に違う男いたら殺そうかと』

(物騒だぞクソ及川)

『なんでクソなの〜!』

(じゃあう〇こな、)

『やめてぇー!』










わたしはこんな、いつもの徹を見てるのが好き。











『あなた!好きって言って?』

「…恥ずいじゃん」

『お願いー!!』

「……だ、大好きだよ((コソッ」

『よく出来ました!((チュッ』

「…/////」






「…そんなのずるい、…/////」


いつまでも徹は私の大切な人。

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