高校を卒業してもう5年。
就職はしたけど、暇が嫌いな私は掛け持ちでコンビニでバイトをしていた。
毎日平和だったんだけどな、
あの日だけは違った。
ーーーーーー
「いらっしゃいま…?」
いつも通りの接客をしようと思った…
でも私の目の前には
「って、蛍…?」
『あ、あなた…。久しぶり。』
「久しぶり、」
高校の時に1年近く付き合ってた元カレの
”月島蛍”
別れてからは全く会わなかった。
『そういえば、同窓会来た?』
「あ、子供が熱出しちゃって行ってないんだ…」
『子供…いるんだ、』
「あ、うん、2年前に結婚してさ…」
元カレだからか、互いにどこかぎこちない。
『…だから苗字が”黒尾”なんだネ』
「あ…うん、、」
何年経っても蛍の観察眼は衰えないんだな…。
よく見てる。
「蛍は今何してるの?」
『僕は…公務員だよ。社会人バレーやりながらね、』
「やっぱりバレーは好きなんじゃん」
『そんなこと言ってないケド』
「蛍らしいね!」
『…』
「どうしたの?」
『元気?』
「あ、うん、元気だよ」
『良かった…』
「え?」
『別れた僕が言うのも変だけど…幸せになってね』
「…?」
『僕、後にも先にもあなたより好きになった人いないし、好きな人には世界一幸せになって欲しいし』
「…蛍がそんなこと言うなんて…、、」
『じゃ、サヨナラ…』
「ありがとうございました…!」
『さよなら、僕の初恋。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。