第6話

4話
616
2020/03/21 04:54
成瀬あなた
さて、逃げたわ良いけどどーすっかな
(何なんだいったい、なんで私達の学校に?)
金谷章吾
まだ、たくさん鬼はいそうだな
成瀬あなた
うん
モブ
モブ
な、何なんだよ、これは!
校舎の外に出た子どもたちは、
周りを取り囲むものを見て悲鳴を上げた


学校の敷地は、周りをせの高いフェンスで囲われているが
そのフェンスにベタベタと、奇妙な文字で書かれたお札が貼り付けられている
フェンスの向こうには道路があるはずだが
煙のように濃い霧が立ち込めていて何も見えなくなっている
フェンスの下の地面には鋭い針がびっしりと突き出していた
隙間なく、学校の敷地まるまる一周分
校庭のすみにあった池はすっかり変色していた
ザリガニが釣れるような澄んだ池なのに今は血のように赤くにごっている
プールからは湯気がたっていたぐつぐつと沸騰しているのだ
成瀬あなた
意地でも鬼に食われるまで帰らせないつもりだね
てか、食われたら帰れないじゃん
関本和也
なんなんだ!誰がこんなことしやがったんだよっ……
真っ青な顔で和也が叫んだ
成瀬あなた
うるさいなぁもうちょっと声小さくしてよ
金谷章吾
静かにしてくれ和也
関本和也
こんな状況で静かにできるか!
成瀬あなた
(´Д`)ハァ…
宮原葵
校門から出るわよ!
葵が叫び、みんなが走った
校庭のにはでっかい穴があいていた
20メートル以上ありそうだ
深くて暗く、そこが見えない
叫んでも穴の奥にすっぽりと吸い込まれ帰ってこない
金谷章吾
地獄まで続いてそうな穴だな
章吾が穴のフチに立ってつぶやいた


敷地の南端
毎朝、数百人の子供が通りすぎていく桜ケ島小学校さくらがじましょうがっこう校門
……校門は今封鎖されていた


閉ざされぐるぐると太い鎖が巻かれて、赤銅色の巨大な錠前がかけられている
門の上側には、真っ赤に熱せられた鉄の棒が何本もわたされ、
乗り越えて出ることをはばんでいる
ツノウサギ
ツノウサギ
おっまえっらこっこで、みんな死ぬっ!おっまえっらごっこから出られなーいっ!
校舎の方から、ツノウサギがキャキャキャと笑う声が聞こえてくる
ツノウサギ
ツノウサギ
さあ、ガキ共!オレらが鬼だ!………鬼ごっこしようぜええぇぇっ!
関本和也
ふざけんなよ!いったい何なんだよ!
こらえきれなくなった和也がわめいた
成瀬あなた
だから……
宮原葵
テレビのドッキリ番組……な分けないか。
流石にこんなことできるわけないわね………
口調こそ冷静だが、さすがの葵も口元が引きつっている
桜井悠
きっと神様の仕業なんだ僕が昨日運動会中止にしてくださいって
祈ってたから、叶えちゃったんだ
悠は本当に運動会が嫌だったみたいだ
金谷章吾
……やれやれ。鬼、ねいいな
成瀬あなた
ニヤちょっと面白くなってきた
大翔side
章吾は拳で手のひらを打ち
あなたは髪を耳にかけ伸びをしだした
怯えきったみんなの中で二人は落ち着いていた
ちっとも怖くない……むしろ楽しんでるみたいだ
いつもは二人でいるとき以外つまらなそうにしているのに
(大翔それで本気なのかよ?)
章吾に聞かれたことがある
トラックを一周競走して、最初から最後まで章吾に追いつけなかったときだ
章吾は不満そうに、唇を尖らせていた
ムカっときたからそれから練習を倍にした、勝てるはずないと
みんなには笑われたけど。そして、やっぱり一度も章吾には
勝てなかったあなたにも。走り終えて息を荒げる大翔を、
章吾は遠くから見ていたあなたは、ときどきアドバイスをくれた
それは、的確でわかりやすかったし少し速くなった感じもした
宮原葵
助けを呼びましょう
葵が言った
作者
切ります!
疲れたなぁ
これからも頑張ります
またね

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