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第6話

彼女の妬み
おはようって、言ってくれる。
また明日って、言ってくれる。
それだけで、私は幸せだった。
話せなくても、私には私なりの言葉があるから。
おはようって、返せる。
また明日って、返せる。
もちろんさ、声でしか伝えられない感情とか、あると思うの。
でも、急がなくたって良い。
簡単に作れる友情なら、簡単に壊すことも出来てしまう。
なら、私は時間をかけてでも…

「このはちゃんって、ズルいよね。」
今までとは違う言葉の矢。
振り返ると、学年でも5本の指に入るような可愛い生徒が、私を見ていた。…睨んでいた。
あの頃、喋れない私に向けられていた目とは違う目。
嫉妬の、目。

なにを?

「喋れないからって、高柳先生に優しくしてもらえてさ…何なの?高柳先生はお前のものじゃねぇんだよ!」
違う!先生は、別に私だけに優しいわけじゃ…
反論したいのに、声が出ない。
スマホも、手元にない。
「ぁ…ぅぅ……、!」
「甘えてんじゃねぇよ!!」

パシィッ!!

「っ…、。」
鋭い痛みが頬に走る。
「あははっ、酷い顔!」
彼女は白いキレイな手で、私の頬を輪郭に沿って撫でた。
「今日はこの辺にしといてあげる。来週の体育祭…あなたも私も借り物競争に出る。その時に、勝負よ。」
そう言ったところで、満足したのか彼女は私から手を離して去っていった。

せっかく学校生活が上手くいくと思ってたのに…最悪だ。何で妬まれなきゃいけないの?

体育祭は来週…。
彼女は、何をするつもりなんだろう。