第4話

透明人間 気に入った!
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2020/03/09 07:50 更新
気づくと、あの、鬼がいた路地に立っていた

血は、まだ残っていた

鬼は、もういなかった

私だったものも、いなかった
悪魔
悪魔
無事、転生完了ね。
何か、転生って言うと、よく最近のラノベである『異世界に転生しちゃった?!』っぽい感じがある
つばさ
つばさ
あの、元私はどこに?
悪魔
悪魔
そうね…お葬式でもしてるんじゃないかしら?
そうか、お葬式か…
悪魔
悪魔
それにしても、あなた凄いわね。
つばさ
つばさ
え?
悪魔
悪魔
ここを見て、血があるでしょ?
確かに、壁には血が残っていた
つばさ
つばさ
これが?
悪魔
悪魔
これは鬼の血よ。
つばさ
つばさ
へー。
それが?
悪魔
悪魔
あなた分からないの?
つまり、鬼は傷をおっている。
悪魔
悪魔
……あなたがつけた、ね。
それが、どうかしたの?
私、全力で蹴ったから、傷ぐらい当然だけど
悪魔
悪魔
はぁ~。
悪魔は呆れたような顔をして、説明を始めた 
悪魔
悪魔
鬼は、私たちの住む、天界の者。
つまり、私のように実体を持たなかったり、物凄く強かったりするわけ。
悪魔
悪魔
だから、鬼に人間が傷をつけるなんて、それも素手でよ?
そんなことは、すごいことなの。
つばさ
つばさ
へー、そうなんだ。 
何だか嬉しいね。
稽古の成果がでたってことだ
師匠、ありがとうございます!
悪魔
悪魔
それで、お葬式には行かないの?
つばさ
つばさ
行ったほうがいいですかね?
悪魔
悪魔
大体の転生者は、まず自分の姿を見にいくわよ?
魔物転生、いわゆる妖怪とかはね。
悪魔
悪魔
まあ、なんなら本当に異世界転生だって出来ちゃうし
そうか、そうなのか…
じゃあ、ラノベもほとんどノンフィクションだね
つばさ
つばさ
じゃあ、お葬式行こうっと。
あ、でも葬式場、遠いんだよな…
つばさ
つばさ
走って行けるかな?
悪魔
悪魔
それについても説明しましょうか。
透明人間になると、運動神経が発達するの。五十メートル走とか、タイムが半分くらいになるわよ。跳躍も、10倍にはなるわね。
私は五十メートル7秒だから、3.5秒になるんだね
つばさ
つばさ
すごいですね。
悪魔
悪魔
でしょう!
つばさ
つばさ
じゃ、let's goってことで。
走りだすと、風が少し冷たくなっていた
速度のせいもあるだろうけど、夏も終わりに近づいているのかもしれない
元々駿足の私だけど、動体視力には自信があるから、ガンガン飛ばす
途中で悪魔は?と思ったけど、しっかり私の後ろについてきていた
街に着いた
ここからは人が多くなる
悪魔
悪魔
あなたは実体をもっているんだから、何かに当たらないよう、十分気をつけるのよ!
つばさ
つばさ
ありがとう!
悪魔は車も人も、すり抜けて走っていた
気付くと、目の前は交差点
よけて通るのは不可能
だから…
つばさ
つばさ
ジャンプ!
アスファルトの地面を蹴ってジャンプ!
もしかして、透明人間には体重がないんじゃないかと思ってしまうほど、軽く体が浮いた
つばさ
つばさ
ふふふ……
私、気に入った! 透明人間
つばさ
つばさ
ははははははっ!!
死んで良かったと、不謹慎ながらもそう思った

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