しばらくその周りの時が止まったように
動かなくなった
その時自分が何を言ったのか、
繰り返す様に頭に流れ込んできた
そう言って抱きしめてくれる。
優しさと罪悪感に襲われて
拭っても拭っても涙が溢れてくる。
袖を捲って手首を差し出した
自分で言ったけど少し怖い。
口を開いて歯を突き立てると
((ガリッ
切った手首から流れてる血を
舐めとって
また傷口に歯を立てる
((ジュ…ジュル…ゴクン…ッ
こんな身体…いっその事自分の手で
殺してしまいたい。
そんな気持ちで押しつぶされそうになるけど
その大きな手に優しい声に
少しだけ心が救われる
だから決めたよ。
もう心配させないように
そんな顔させないように。
私も変わらなきゃ。
会いずらいなぁ……
明日ちゃんと北斗さんと
覚えてなくても話をしよう
皆にも大事な話をしなくちゃいけない。
なんでも負けず嫌いなお兄ちゃんと違って
私は小さい時から後ろ向きで
やる前からネガティブな自分を変えなきゃ
前を向いて進むよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。