3月25日
今は一人暮らしをしているお兄ちゃんだけど
誰かの誕生日(自分を含む)の時だけは
どんなに仕事が忙しくても、その日だけは休んで
皆で過ごすっていうのが定番になっていた。
私も特別な日だけは
部屋から出て皆と一緒に過ごしていた。
吸血病って言っても
別に吸血鬼な訳じゃないから日光にも当たれるし、
家族で外出も何度かしている。
“今までが大丈夫だったんだから今日も大丈夫”
なんて考えちゃいけなかった。
今更後悔しても遅いけど…
もっと早く気づければ良かった。
…この時もっと自分に注意を向けるべきだったんだ。
だって
私が背負っていたのはそんな生半可な物じゃなかったのだから……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!